自信を喪失するパフォーマンスが続いていた角田。そんな若武者にとってチームの根幹を揺るがす人事はキッカケとなるのだろうか。…

自信を喪失するパフォーマンスが続いていた角田。そんな若武者にとってチームの根幹を揺るがす人事はキッカケとなるのだろうか。(C)Getty Images

 名物指揮官のクビ切りによって、名門はいかに変わるのか。

 現地時間7月9日、F1のレッドブルはクリスチャン・ホーナー代表の解任を発表。あわせて、姉妹チームのレーシングブルズで代表を務めていたローラン・メキース氏を後任に据えることも発表した。

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 シーズン半ばでのチーム代表交代はまさに異例だ。それが20年もの月日をかけ、常勝軍団の礎を築いてきた大物であれば、なおさらである。

 もっとも、ホーナー氏に大ナタを振るわれた明確な理由は明らかにされていないものの、長引く不振が関係しているのは想像に難くない。実際、レッドブルは昨季からのスタッフの流出が相次ぎ、ドライバー交代も繰り返し、チーム内部の混乱が続いていた。そんな状況を統制できなかった責任を問われた感は否めない。

 抜本的な改革が行われた中で、関心が寄せられているのはメキース新代表と角田裕毅の関係だ。今季のF1第3戦となる日本GPからレッドブルの一員となって以来、10戦で獲得ポイント4と低迷する25歳にとって、レーシングブルズ時代に薫陶を受けたフランス人指揮官の存在は待望と言えるかもしれない。

 実際、レッドブルの地元メディアでも角田の“再起”に期待する声は高まっている。英モータースポーツ専門サイト『F1 OVERSTEER』は、「レッドブルはユウキ・ツノだのF1での今後をどう考えているのか?」と銘打った記事を掲載。「ホーナーはツノダの才能に常に疑問を抱いていた」とホーナー氏と角田の信頼関係が芳しいものではなかったとした上で、角田の“近未来”を予測する。

「ホーナーの離脱によって、今夏にツノダが別のドライバーと交代させられるのではないかという懸念は払拭されるだろう。すでにメキースとレッドブルの新経営陣は、ツノダに少なくとも今シーズンは最後まで任せると伝えられている。無論、ツノダとレッドブルの長期的な関係性についての決定はまだ下されていない。しかし、レーシングブルズ時代の重要な支援者の一人だったメキースの存在は、ツノダが将来を確保する上で役立つかもしれない」

 果たして、業界を驚かせたショック療法によって、レッドブル、そして角田はいかに変わるのか。現地時間7月25日から始まるベルギーGPまでの調整を興味深く見守りたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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