(12日、第107回全国高校野球選手権東東京大会、豊南8―1品川翔英=7回コールド) 豊南が7回コールド勝ちで初戦を突破…

(12日、第107回全国高校野球選手権東東京大会、豊南8―1品川翔英=7回コールド)

 豊南が7回コールド勝ちで初戦を突破した。昨秋と今春の都大会1次予選で敗退した悔しさを、夏に晴らした。主将の伊藤翼(3年)は試合後、「秋と春の悔しさを胸に、チーム全員で戦った」と振り返った。

 一回の攻撃、相手投手の立ち上がりを攻め、2点先制。二回にも2点を追加し、五回には森多洸瑠(みつる)(同)の2点本塁打で突き放した。先発した安井直樹(同)が5回を無失点に抑えるなど、投打がかみ合った。

 「悔しさを力に変える」――。そんな言葉をチームスローガンに戦った。前監督の弓田鋭彦さんが常日頃、選手たちに語っていた言葉だ。

 弓田さんは早稲田実時代、投手として甲子園に出場し、右のアンダースローで活躍。2019年から豊南の指揮を執り、部員数が50人を超えるチームに育ててきた。

 だが昨夏の大会、弓田さんはがんの療養のため、チームは監督不在で参加。4回戦で涙をのんだ。新チームがスタートしてほどなく、昨年11月、65歳で亡くなった。

 その教えを胸に刻もうと、選手たちは「悔しさを力に」とプリントしたTシャツを着て練習に励んだ。この日の試合中、何度もその言葉を声に出しながら戦い、悔しさを晴らした。

 伊藤は「監督さんの言葉を忘れずに、この勢いで次も戦っていきたい」と意気込む。今年4月から就任した星重光監督は、「チームの土台を作ってくれた弓田さんの教えを受け継いでいきたい」。豊南の新たな夏が始まった。=大田(石平道典)