（12日、第107回全国高校野球選手権鹿児島大会1回戦 鹿児島城西0―3れいめい） 三回裏、鹿児島城西のエース中間悠莉…
（12日、第107回全国高校野球選手権鹿児島大会1回戦 鹿児島城西0―3れいめい）
三回裏、鹿児島城西のエース中間悠莉（ゆうり）投手（3年）は私学の強豪れいめいを相手に、2死満塁のピンチを迎えた。
れいめいの先発は球速が140キロを超える好投手の伊藤大晟（たいせい）投手（3年）。簡単に点をとれそうになく、何とか抑えたかった。
たが打者は、前の打席に三塁打を打たれていた矢野航成選手（3年）。ボール球が先行したが、「先に点は与えない」と強い気持ちで投げ込んだ。
追い込んでからの5球目。狙い通りの直球が外角低めに決まった。見逃し三振でピンチを切り抜け、マウンド上で小さくガッツポーズをした。
昨秋にひじを故障。負担を減らすため、春から上手投げから横手投げに変えた。課題は立ち上がりの悪さだった。浮いた球を狙われた。地道に投げ込み、制球力を磨いた。
「振りが強い打者が多い。とにかく低めを意識して投げよう」。強い思いをもってマウンドに臨んだが、序盤からピンチの連続。毎回のように走者を背負うが、粘り強く投げ続けた。七回表に代打を送られて交代したが、六回を1失点に抑える好投をみせた。
試合後「最後まで投げたかったが、自分のやりたい投球はできた」と振り返った。道端俊輔監督は「リードしていたら、最後まで任せるつもりだった。エースとしての責任を十分に果たしてくれた」とねぎらった。（井潟克弘）
