投手として着実にステップを踏んでいる大谷。(C)Getty Images 米球界の酸いも甘いも知る名伯楽から「投手・大谷…

投手として着実にステップを踏んでいる大谷。(C)Getty Images

 米球界の酸いも甘いも知る名伯楽から「投手・大谷」に異論が飛んだ。

 23年9月に右肘側副靭帯の損傷を負って、キャリア2度目となる肘へのメスを入れた大谷翔平(ドジャース)。打者としてプレーしながらの過酷なリハビリをこなしてきた31歳は、完全復活へのプロセスを順調に歩んでいる。

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 先月16日のパドレス戦に初めて実戦マウンドに立ってから、4試合に先発した大谷は、計6イニングを消化して防御率1.50、WHIP0.83の上々の成績をマーク。いまだイニング制限下にあるため、スモールサンプルに過ぎないものの、直球の平均球速も98.4マイル(約158.3キロ)と、手術執行以前の23年に記録された96.8マイル(約155.7キロ)を上回っている。

 本人も「少しでも前進することが大事」と手応えを口にする再起の道。無論、不安材料が全くないわけではない。打者としてもフル出場が求められる“二刀流”を貫く大谷の場合、通常の投手よりも負担強度が高く、再発に対する懸念も少なくない。

 唯一無二の「投打二刀流」であるがゆえの“弊害”。これを指摘したのは、ノーラン・ライアンやランディ・ジョンソンら数多の名投手たちを指導し、時に再起させてきたトム・ハウス氏だ。

 スポーツ心理学の博士号も有する名伯楽は、米版『Yahoo! Sports』において「オオタニは打者だと思っている。すでに投手として必要なことは全て証明しているが、球団にとってオオタニの価値は毎日プレーすることにある」と指摘。今以上の肉体の酷使がさらなる怪我に繋がるという持論を展開した。

「私が間違っていることを願うが、いろいろなことが重なれば、彼の肩は耐えられなくなると思う。彼が取り組んでいるというウェイトトレーニングは、打撃において効果的だが、ピッチングにはむしろ害になることがある。そして、マウンドから降りて、打つという動作は肩に6倍の負担を与える。まさに非日常的なストレスだ。普通の人間の肩は、それだけの負担に耐えられなくなるんだ」

 その類まれなる才能を否定する気はない。ハウス氏は「彼の投球メカニックは見事で、精神力も強い」と評価した上で「肉体が投打を並行することに長く耐えられないはずなんだ」と指摘。やがてくるかもしれない二刀流の限界を説いた。

 何よりも本人が強いこだわりを持って取り組んできた二刀流。ハウス氏の指摘する通り、いつの日か限界が訪れる日はやってくるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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