(12日、第107回全国高校野球選手権三重大会 昴学園2―0三重) 一塁に走者を残したまま最後の打者が倒れた。今春の東…

 (12日、第107回全国高校野球選手権三重大会 昴学園2―0三重)

 一塁に走者を残したまま最後の打者が倒れた。今春の東海大会で優勝したシード校の三重が、まさかの初戦敗退。三重の有原悠人捕手(3年)は、抱き合う昴学園の選手を、ベンチからぼうぜんと見つめた。

 昴学園の先発投手は、想定していた3年生エースではなく、石川大介投手(2年)。今春の県大会ではこの石川投手を打ち崩して昴学園にコールド勝ちしたが、この日は速度があるスライダーやフォークを前に、県内最強と称された打線がつながらない。5安打に抑えられ、三塁を踏めぬまま完封負け。

 「(石川投手は)まるで別人だった。打てなければ勝てるわけがない」と三重の沖田展男監督は語った。

 夏の甲子園で準優勝した2014年以来、春の東海大会を制した三重。「扇の要」として支えた有原捕手は、入部時は内野手だったが、肩の強さを見込まれて救援投手までこなす万能選手だ。最後の夏は主に捕手として起用されることになり、この試合では3人の2年生投手の球を受けた。

 先発の古川稟久投手が5回を2失点でしのぎ、吉井海翔投手と三好隆仁投手もそれぞれ2回を無失点で抑えた。有原捕手はピンチになるとマウンドへ駆け、後輩を励ました。「古川は、前半3失点以内だったので合格。負けたのは、援護できなかった3年生野手の責任」と試合を振り返る。

 春の県大会決勝で敗れたライバル津田学園・桑山晄太朗投手への雪辱、14年のような甲子園での躍進……。夢には届かなかった。

 「自分が大エースになりたい」との思いを抱いたこともあった。でもこのチームで「投手を育てる楽しさ」を知った。大学では捕手の道を進むつもりだ。(本井宏人)