(12日、第107回全国高校野球選手権群馬大会2回戦 健大高崎5―0藤岡中央) 「夏は1試合がすぐ終わってしまう感覚です…

(12日、第107回全国高校野球選手権群馬大会2回戦 健大高崎5―0藤岡中央)

 「夏は1試合がすぐ終わってしまう感覚です」

 快勝した初戦を終えて、健大高崎の佐藤龍月はそうはにかんだ。

 昨春の選抜大会優勝に貢献した左腕は昨夏、長期間のリハビリを要するトミー・ジョン手術(内側側副靱帯(じんたい)再建術)を受けた。野手としてプレーしながら投手復帰を目指している。

 この初戦では「1番・中堅手」で先発出場し、4打数1安打1四球。七回、「なんとかバットに当てよう」と投手の近くに転がす。快足を飛ばして今夏1本目となる内野安打を記録した。

 昨夏の群馬大会で優勝した直後、左ひじの疲労骨折と靱帯損傷が判明。夏の甲子園のマウンドに立つことはかなわず、昨秋までスタンドでの応援に回った。

 リハビリは順調に進んでいる。医師の許可を得た上で練習試合での登板を重ね、球速は自己最速を更新する147キロを計測。背番号7をつかみ、夏のメンバー入りを果たした。

 胸にこみ上げるのは寮生活をともにした仲間への思いだ。

 「(自身がけがで離脱した中で)新チームが始まって、みんなが自分のためにと言って選抜に連れて行ってくれた。夏は自分がみんなを甲子園に連れていきたい」

 打って、守って、投げて。悔いのない夏にするつもりだ。=上毛新聞敷島(大宮慎次朗)