(11日、第107回全国高校野球選手権富山大会1回戦 富山国際大付27―0入善=5回コールド) 入善高校の試合前シートノ…
(11日、第107回全国高校野球選手権富山大会1回戦 富山国際大付27―0入善=5回コールド)
入善高校の試合前シートノック。13人の選手がポジションに散った。本塁付近に女子マネジャーの窪田綾乃さん(3年)と、白鳥美海(みう)さん(同)が立った。
ユニホーム姿の窪田さんが白鳥さんからボールを受け取り、巧みに打っていく。5分間のノックを終え、白鳥さんが「頑張ったね」と声をかけ、互いにタッチしてベンチに戻った。
富山大会として、女子マネジャーが初めてノッカーを務めた。チームで3年生はこの2人だけだ。窪田さんは小学校2年生の時に地元の野球チームに入り、魚津市立東部中学校ではソフトボール部で外野手として活躍した。高校でマネジャーとなった。
ノッカーをするようになったきっかけは1年生の冬。遊びでティーバッティングしている窪田さんの姿を見て、籅谷(そうけたに)大輝監督が「野球をやっていたスイングだ」。昨夏の富山大会の後、「高校野球で頑張った成果として、ノッカーにチャレンジしてみないか」と打診した。
野球経験者とはいえ、木製で長細いノックバットをうまく扱えなかった。「最初は思ったところに打てなかったが、だんだん打ち分けられるようになった」と籅谷監督。
窪田さんは「緊張した。あっという間の5分でした。試合の結果は残念だったけれど、みんな一生懸命やっていた」。窪田さんのノックについて白鳥さんは「パーフェクトでした」とたたえた。(前多健吾)