◇米国&欧州男子ツアー共催◇ジェネシス スコットランドオープン 2日目(11日◇ザ・ルネサンスクラブ(スコットランド)…

決勝ラウンドに進んだ中島啓太。まだ不安はある

◇米国&欧州男子ツアー共催◇ジェネシス スコットランドオープン 2日目(11日◇ザ・ルネサンスクラブ(スコットランド)◇7282yd(パー70)

50cmのパットを2回外した初日の夜、中島啓太は宿舎に戻るとGoogle検索で作戦を練った。「パター クロウグリップ メリット」をウェブで検索…。インターネットがはじきだしたメリットと、握り方の画像とにらめっこし、2日目の朝にやってみた。「3オーバースタートだったので。トライする価値はある」。ゴルファー人生で初のクロウグリップ。試したその日に「65」をマークした。

初日「73」と出遅れたが、「あきらめてはいない」と、できることは何でもやろうと挑んだ。もともとパッティングは、「右手の自由をなくすため」とクロスハンドがメイン。上半身のトレーニングを行ううちに徐々に右手の力が強くなったため、より右手の意識を消せるクロウグリップが気になって調べてみた。検索では『右手の力をなくして、スムーズなストロークをしやすい』との回答。まずショートパットで取り入れてみたら好スコアにつながった。

股関節やわらかい

スタートの10番(パー5)で2オンから8mを2パットで沈めてバーディ発進。後半3番(パー5)、4番では2m弱を決め切りスコアを伸ばした。「何度か外したのもあったんですけど」と欲を言えばもう少し伸ばせたが、6バーディ、1ボギー「65」で回って通算2アンダー46位。来季PGAツアー昇格に向けて、高額ポイントがかかる大会で予選通過を果たせたことは評価できる。

有資格者を除く年間ポイントランキング(レース・トゥ・ドバイ)上位10人に入れば、来季PGAツアーの出場権が付与される。現在のランキングは17位。「今週はロレックスシリーズで、DPで戦う選手にはすごく大きな試合になる」。優勝者には1335ptが与えられる試合で、週末に弾みをつけた。

一方で、5月「全米プロ」の予選落ちから続くショットへの不安は完全には消えていない。「予選は通れましたけど。まだショットがめちゃくちゃ良いわけではないので、ネガティブな部分はある」。まだ100%自信が戻ったわけではないが、その解決法はきっとGoogle検索では出てこない。「上位を目指してポイントを稼いで、しっかり次につなげたい」。好結果を残すことが、何よりの近道だ。(スコットランド・ノースバーウィック/谷口愛純)