女子プロゴルフツアー終盤戦、それぞれの思惑(2)永井花奈(20歳)1997年6月16日生まれ。東京都出身。今季出場31試合、最高位4位。賞金ランキング25位(獲得賞金3653万1349円)。※10月20日現在(以下同)「シーズン前の目標…

女子プロゴルフツアー終盤戦、それぞれの思惑(2)


永井花奈(20歳)
1997年6月16日生まれ。東京都出身。今季出場31試合、最高位4位。
賞金ランキング25位(獲得賞金3653万1349円)。※10月20日現在(以下同)

「シーズン前の目標は『優勝すること』でした。それがまだ実現できていないので、それを今も目指しています。

 優勝できない理由を問われると、ちょっと難しいです。何かしらうまくかみ合えば……と言っても、正直、優勝したことがないので、その辺のこともわかりませんし。それでも、自分なりにうまくなった部分はありますし、悪いところは常に反省してすぐに直して、毎日努力するということも繰り返しています。その結果、今より少しずつよくなっていけば、優勝に近づけるのかな、と思っています。

 今はアイアンが課題です。チャンスにつけられないことが続いていて、試合をこなしながらショットの修正を行なっています。そういう状況ですが、最後まで優勝を目指してがんばりたいと思います」

ユン・チェヨン(30歳)
1987年3月5日生まれ。韓国出身。今季出場25試合。最高位2位。
賞金ランキング33位(獲得賞金2938万66円)。

「日本ツアー本格参戦1年目で、前半戦は(日本の)コースや環境に慣れるのに苦労しました。その分、ストレスも抱えていましたね。それでも、日本はゴルフをするための環境がすごくいいので、コンディションは整えやすかったですし、練習に集中できるため、技術も上がりました。

 そうして、7月のサマンサタバサ ガールズコレクション・レディースで2位タイ、続くセンチュリー21レディスでも優勝争いに加わって2位という結果を残したことは、大きな自信になりました。賞金シードもほぼ確定したことで、精神的にもホッとしています。

 でも、まだ優勝できていないので、悔しい気持ちもあります。残りの試合は優勝を目標にしながら、楽しくプレーしていきたいです」

畑岡奈紗(18歳)
1999年1月13日生まれ。茨城県出身。今季出場6試合、優勝2回。
賞金ランキング18位(獲得賞金4552万6000円)。

「今季は米ツアーを主戦場として戦う予定を立てて、シーズン前には『アメリカでシード権を獲る』というのが一番の目標でしたが、シーズン中にそれを実現することはできませんでした。それでも、日本ツアーでは日本女子オープンで連覇を達成できました。それは、よかったです。

(ここ最近の調子のよさは)8月のCAT Ladiesのときに、(スイングなど)いろいろなことを変えてみて、それがいいほうに出たからだと思います。具体的なことをひとつ言えば、トップの位置を高くしました。それによって、(スイングの)軌道が上から入るようになって、ショットが安定してきました。

 今後の目標は(11月末から行なわれる)アメリカのQT(クォリファイングトーナメント)を通ることです」

三ヶ島かな(21歳)
1996年7月13日生まれ。福岡県出身。今季出場31試合、最高位2位。
賞金ランキング37位(獲得賞金2789万4000円)。

「今季前半戦を振り返ると、山あり谷ありのシーズンでした。スコアもそうだし、ゴルフの調子もそう。ひとつひとつのプレーは悪くないんですが、結果につながらない感じでした。課題は、すべてです。

 あと、みんなから『QT1位』って言われて、前半戦はそのプレッシャーに負けていたな、という感じがします。『そんなの大したことないのに』って思いながらやっていましたけど、最初はそうやって周囲から騒がれていた影響があったと思います。ようやく調子が上がってきたかなって思ったのも、周りの声が静まってからですし。

 終盤戦に向けては、なんとかLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月23日~26日/宮崎県)に出場したい。そのためにも、賞金ランキングを25位まで上げたいし、優勝したいです。欲張りかもしれないですけど……。優勝もそんなに簡単にはできないと思いますし。

 技術的には、ショットはそれほど悪くないですから、もう少しパットが入ったらいいなと思っています。特に1ピン以内のパットですね。先日も1mもないバーディーパットを外して、すごくもったいなかった。1ピン以内につけているのに、それを外しているからスコアも伸びないし、結果にもつながらない。結局、最後はパターなんだなって。その辺がかみ合ってくれば、もっといい成績を出せると思います」

青木瀬令奈(24歳)
1993年2月8日生まれ。群馬県出身。今季出場31試合、優勝1回。
賞金ランキング36位(獲得賞金2887万1357円)。

「6月のヨネックスレディスでツアー初優勝。『優勝して、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに出場する』という一番の目標が達成できました。そしてその後、いろいろなことにチャレンジすることができたのはよかったかな、と思います。

 昨季はリコーカップに出られないことが決まった時点で、今季に向けて何ができるかを考えて、トラックマン(弾道計測器)を購入することと、トレーニングをすることだと思ったんですね。それで、そのふたつのことをすぐに行動に移して実践できたことが、今季につながったと思っています。だから、これから先の試合でも課題を見つけて、来季の新たな目標達成につなげるための準備をしっかりしていきたい。

 また、1勝したからには、2回、3回と複数回優勝することが大事だと思っています。それが大きな目標でもありますから、残りの試合も、2勝目、3勝目を目指してがんばっていきたいです」

辻 梨恵(23歳)
1994年1月28日生まれ。神奈川県出身。今季出場28試合、最高位3位タイ。
賞金ランキング28位(獲得賞金3419万2542円)。

「今季は調子がよくないときでも、それなりにスコアをまとめられるようになったのかな、と。そこは、成長できたところだと思います。あとは、もう少しミスを減らせればいいな、と思っています。それが、課題ですね。

 スコアをまとめられるようになったのは、マネジメントと、アプローチとパッティングで(ピンチを)しのげるようになってきた点が挙げられます。ショートゲームの練習時間は多くなりましたらから。残りの試合も、優勝を目指してがんばりたいと思います」

イ・ボミ(29歳)
1988年8月21日生まれ。韓国出身。今季出場23試合。優勝1回。
賞金ランキング21位(獲得賞金4076万4800円)。

「8月のCAT Ladiesで今季初勝利を挙げてから、(プレー自体は)少しよくなった感覚がありました。ただ、すぐに(以前のような)調子が戻るということはありません。ゴルフというのは、いいときもあれば、悪いときもあります。

 今は、プレーにおける全体のバランスが悪いので、なかなか成績にもつながりません。そうすると、精神的にもしんどいことが多くなります。ひとつよくなったかなと思ったら、今度は別のところが悪くなりますし……。

 それでも、残りの試合では少しでもいい結果を残していきたいです。そして、今季の結果を踏まえつつ、少し早いですが、来季への準備をどのようにすべきか、そのことも考えていかなければなりません」

イ・ボミ、畑岡奈紗、永井花奈…。注目女子プロ7名が語る勝利への渇望