(11日、第107回全国高校野球選手権富山大会1回戦 南砺福野3―1砺波工) 接戦を南砺福野が制した。同点で迎えた六回裏…
(11日、第107回全国高校野球選手権富山大会1回戦 南砺福野3―1砺波工)
接戦を南砺福野が制した。同点で迎えた六回裏、先頭の村上優作主将は左前安打で出塁、勝ち越しとなる2点目のホームを踏んだ。勝利に、「長嶋茂雄さんにいい贈り物ができたと思います」。
富山県簡易農学校として1894(明治27)年に創立された伝統校。野球部は2009年夏、甲子園初出場を果たしている。
今月6日、南砺市内のホールで開かれた野球部の激励会。会場には6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球・長嶋茂雄さん」追悼のパネルや写真が展示されていた。
話は、プロ入り前にさかのぼる。1957年7月、長嶋さんが立教大4年生の時、福野高校(今の南砺福野高校)を訪れ、2日間、選手を指導した。同高卒業生が長嶋さんと大学で同級生だったことが縁で、コーチを引き受けてくれたという。大学生とはいえ、東京六大学の大スターだった。
写真集「福野高校の百年」に記録が残る。「RIKKIO」のユニホームでバッティングをする様子や、校長、選手らと記念写真。当時は本塁から、校舎に向かって打撃練習をしていたが、「長嶋さんの打球が、校舎の屋根に当たり、何枚も瓦が割れた」ため、バックネットやホームの位置を反対にしたという伝説が、野球部に残っている。
長嶋さんの現役時代を知る選手はいない。ただ学校の歴史に刻まれた名選手の来訪を激励会の展示パネルで見た村上主将は「遠い存在だと思っていたけど、学校に教えに来てくれていたと聞いて急に親近感が湧いた」。
そして勝利。鵜川謙一監督は立大野球部出身の長嶋さんの後輩でもある。面識はないが、「野球部の寮にいた時、長嶋さんの名札がかかっていました。縁を感じます。野球を盛り上げる一端を担えました、と伝えたいです」と話した。(前多健吾)