(11日、第107回全国高校野球選手権秋田大会2回戦 大曲農6―13明桜=8回コールド) 貴重な体験をしたのは6月初め…
(11日、第107回全国高校野球選手権秋田大会2回戦 大曲農6―13明桜=8回コールド)
貴重な体験をしたのは6月初め。大曲農の宮木柊翔選手(3年)は、農業、水産系県立高の交流戦で3点本塁打を放った。打った相手が、昨夏の甲子園に出場した屈指の好投手、金足農の吉田大輝選手(3年)だった。
「(吉田という)レベルの高い投手から打ったとなれば、どの投手にも自分のスイングができる、と自信になりました」
六回、仲間の2連打のあと、右越えに二塁打。詰まった当たりがグンと伸び、1点を返した。
この冬は、ほとんどボールを使わずに筋力トレーニングなど体作りに励み、パワーもついていた。つかんだ「自信」と冬季の成果がミックスされた一打といえた。
三回途中からは、一塁手から登板してロングリリーフ。最後に捕まってしまったが、中盤は明桜相手に粘り強く投げた。
エースだった昨夏。初戦で先発して打たれ、途中降板して敗れた。先輩たちの夏を終わらせてしまった負い目を感じていた。
「昨年は力がなかった。今年の夏は、あれから変わった姿を先輩たちに見せることはできたと思います」。敗戦の中で一つ、満足することができた。(隈部康弘)