少子化と部員不足の波は、高校野球にも確実に押し寄せている。【特集】斎藤佑樹「未来へのメッセージ」秋田県羽後町にある羽後高…
少子化と部員不足の波は、高校野球にも確実に押し寄せている。
秋田県羽後町にある羽後高校の野球部は、現在3年生3人のみ。隣町の増田高校と連合チームを組み、毎日合同で練習を重ねている。
「授業は別でも、放課後はずっと一緒。単独チーム並みに連帯感がある」
そう語るのは、チームを率いる佐藤悠也監督だ。SNSを使った部員募集にも取り組んでいるが、現実は容易ではない。それでも球児たちは、連合という垣根を超え、前向きに白球を追いかけている。
佐藤監督は、昨年U-18侍ジャパンのアシスタントコーチとして国際大会に帯同。7イニング制の試合を経験し、「人数が少ないチームにも勝機が生まれる」と新たな可能性を感じたという。
「7回なら、なんとか勝てるチャンスはあるかもしれない。でも心情としては、やっぱり9回であってほしい」
羽後高校を訪れた斎藤佑樹は語る。
「強豪や甲子園だけが高校野球じゃない。こうした視点を持つ監督が代表を経験し、発信していくことに大きな意味があると思う」
小さな町の、小さなチームが見せてくれたのは、“変わりゆく高校野球”のリアルと希望だった。未来へのヒントは、こうした現場にこそある。