(11日、第107回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 関西創価6―4刀根山) 同点の四回表、関西創価の攻撃。先頭で打席に…
(11日、第107回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 関西創価6―4刀根山)
同点の四回表、関西創価の攻撃。先頭で打席に入った穴井銀侍主将(3年)は「ここで試合を動かす」と、強い気持ちで3球目を振り抜き、中前への安打を放った。
次打者の犠打で二塁へ進んだ後、西條優選手(2年)の打球が右前に落ちる間に、本塁へ滑り込んだ。勝ち越し。雄たけびをあげた穴井主将の視線は、ベンチの仲間たちに向けられていた。
中学時代の野球チームでも主将を務め、関西創価では外野手として1年生の秋から正選手になった。「自分が引っ張らなくては」。そう思い、新チームでは自ら主将になりたいと名乗り出た。
「背中で率いていかなくては」。チームのために、チームのために。思いがプレッシャーになり、春には体調を崩した。
そんな自分の姿を見て、仲間たちはこんな言葉を口にするようになった。
「穴井のために」
気づかされた。「自分だけじゃない。みんなと一緒にチームをつくれば良いんだ」
この日、七回には無死一、三塁から犠飛を放ち、九回には犠打を決めた。頼れる仲間たちとのチームプレーでつかんだ勝利。試合後、笑顔の主将からこぼれた言葉は「ほっとした」だった。(渡辺萌々香)