(11日、第107回全国高校野球選手権福岡大会3回戦 福岡4―7八女学院) 八女学院4点リードで迎えた四回表、無死一塁…

 (11日、第107回全国高校野球選手権福岡大会3回戦 福岡4―7八女学院)

 八女学院4点リードで迎えた四回表、無死一塁。マウンドの石飛太基投手(3年)の顔には、焦りが浮かんでいた。「今日は調子がよくない」。先発のマウンドを託されたが、四球で出塁を許す場面が目立っていたからだ。

 すると、マウンドに駆け寄ってきた捕手の内倉寛徳選手(3年)に言われた。「打たれてもいいから、自分なりのピッチングで」。気持ちが落ち着いた。その後も四球は出したが、この回の三つのアウトをすべて三振で奪う力投。足がつって五回途中で降板したが、試合の流れを大きく引き寄せた。

 度重なるけがに苦しんできた。一昨年から2年連続で腰椎(ようつい)の分離症に。今年の5月には再び歩けないほどの痛みを感じた。「また、やってしまった」。焦りが募った。

 それからの約2週間、できる限りのことをやった。肩の力を落とさないために、校庭でいすに座ったまま投球練習を繰り返した。太ももの筋肉が固くならないようストレッチも、入念に行った。

 「けがの度に練習や試合に出られることへの感謝が強まった」という石飛投手に、末次敬典監督はこう期待を寄せた。「きょうの投球は本来の力の3割くらい。次はもっとできるはずだ」(山本達洋、小勝周)