〈全国高等学校野球選手権滋賀大会:滋賀短大付6-0虎姫 〉◇10日◇1回戦◇HPLベースボールパーク 今春の甲子園に出場…

〈全国高等学校野球選手権滋賀大会:滋賀短大付6-0虎姫 〉◇10日◇1回戦◇HPLベースボールパーク

 今春の甲子園に出場した滋賀短大付が初戦突破。エースの櫻本 拓夢投手(3年)が2安打無四球10奪三振で完封した。

「テンポ良く投げられたので良かったです」と櫻本は立ち上がりから快調な投球を披露。「変化球が良かったです」とチェンジアップやカーブを上手く使って、相手打者を翻弄した。

 ストレートの球速は120キロ台前半と大きく向上しているわけではないが、ボールのキレは昨秋やセンバツより明らかに向上している。さらに「自分が思っているのと全然違う球が来た」と相手打者は証言しており、打者の読みを外す巧みな配球も光っていた。

 打線は1回裏に二死三塁から4番・大窪 玲輝捕手(3年)の中越え適時二塁打で先制。続く5番・松本 彪人内野手(3年)も左中間への適時二塁打を放ち、初回から幸先良く2点を奪った。

 松本はセンバツでベンチ外だった選手。これまではパワー不足や守備力が課題だったが、「逆方向に長打が打てて、セーフティバントもできる」と保木 惇監督の信頼を勝ち取り、打撃を期待されてレギュラーの座を掴んだ。

 さらに5回裏には二死二、三塁から下位打線に4連打が生まれて、4点を追加。櫻本を中心にロースコアで粘り勝つ野球を展開していた秋から打力が向上したところをアピールした。

「センバツが終わって、打つということにもう少しフォーカスを当てないといけないという話を選手たちにして、ウエイトトレーニングと打ち込む日を増やました。小技については秋からずっと練習しているので、そこにプラスアルファで力強い打撃を身につけることを目標に夏までやってきました」と保木監督は言う。上位から下位まで鋭い打球を飛ばしており、この日は12安打。練習の成果が結果として表れた。

 初出場のセンバツでは初戦で敦賀気比に0対15で大敗。「実力のなさを自覚できました」(森 伸文主将・3年)と現状を前向きに捉え、夏に向けて強化を続けてきた。

 確かな力が備わりつつある滋賀短大付。甲子園の借りを返すべく、滋賀の頂点を目指して夏の戦いに挑んでいる。