（11日、第107回全国高校野球選手権西東京大会2回戦、国士舘4―1八王子北） 終盤まで八王子北に試合の主導権を握られて…
（11日、第107回全国高校野球選手権西東京大会2回戦、国士舘4―1八王子北）
終盤まで八王子北に試合の主導権を握られていた国士舘。苦境を救ったのは、伝統の機動力だった。
1点を追う七回裏、国士舘は1死一、三塁の好機をつかむ。宮崎大宜（だいき）(3年)が放った二塁手へのライナー性の打球を見て、三塁走者の下立蒼大(同)は三塁に戻りかけた。
だが、「落とした!」というコーチャーの声に反応。八王子北の二塁手が二塁へ送球したのを確認して、本塁へスタートを切った。下立は50メートル走6秒3の俊足。ベースランニングには自信がある。微妙なタイミングだったが、「自然に体が動いた」。頭から滑り込み、試合を振り出しに戻した。箕野豪（たけし）監督は「球から目を離さず、しっかりスタートを切ってくれた」と好走塁をたたえた。
無死満塁の好機を逃すなど、初戦で硬さの見えたチームはこのプレーで息を吹き返した。下立は八回には二塁打を放ち、2点を加えた。この日は、序盤にバント失敗や捕球ミスなどがあり、「何とか取り返したい気持ちもあった」と振り返った。=スリーボンド八王子（岡田昇）
