秋本は「アタックミスを改善したい」と反省を口にした(C)産経新聞社 バレーボールの女子日本代表は7月10日、千葉で行われ…

秋本は「アタックミスを改善したい」と反省を口にした(C)産経新聞社

 バレーボールの女子日本代表は7月10日、千葉で行われている「FIVBネーションズリーグ」予選ラウンド第3週の韓国戦に臨み、3-0(25-21、27-25、25-22)でストレート勝ちを収めた。

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 この試合では前日のフランス戦から、アウトサイドヒッターの佐藤淑乃とオポジットの和田由紀子(ともにNECレッドロケッツ川崎)以外のスタメンをガラリと変更している。

 そのなかでも注目を浴びたのが、18歳の秋本美空(ヴィクトリーナ姫路)だった。すでにチームにとって大会初戦のオランダ戦(現地6月4日)でシニア代表初得点をマークし、その後もコンスタントに出場機会を与えられると身長185センチ・最高到達点316センチを存分に活かしながら、その非凡なアタックセンスを披露していた。

 そうして韓国戦ではシニア代表として初先発を果たすことに。その理由について「彼女にはもっとたくさんの経験が必要ですから。今は土台をさらに高めていく時期です」とフェルハト・アクバシュ監督。第1セットこそ2得点に終わったものの、第2セットはチーム最多タイの7得点。終わってみれば和田(18得点)、佐藤(17得点)に続いて11得点をあげて勝利に貢献した。

 この日はアウトサイドヒッターの佐藤の対角としてコートに立ったわけだが、これまでの試合ではライトいわゆるオポジットとして起用されることが多かった。とはいえ、レフトとライトどちらのサイドからでも得点できるのが秋本のスタイル。前日のフランス戦の第2セットでは2枚替えで投入されると、S1ローテ(セッターが後衛ライトに就くローテーション)において、前衛レフトに入った秋本はセッターの中川と攻撃の仕方を確認。そのままレフトで打つか、それともライト側に走るのか。そのときは結果的にレフトからアタックを決めきっている。

 もっとも学生時代からアウトサイドヒッター、オポジットそしてミドルブロッカーまでアタッカーとしてどのポジションも経験しており、さらにはセッターにトライしていたことも。そこにはアンダーエイジカテゴリー日本代表時代から、“高身長のオールラウンダーになる”ことを期待されていた背景があった。

 その象徴的なプレーとして、サーブレシーブをこなせるのも秋本の強みである。韓国戦ではチーム最多となる26本もの相手サーブを受け、エラーは0本。これが初スタメンであり、まだまだ経験も浅い。周りの先輩たちが気にかける必要もあったのでは…と思いきや、まるでそうではなかった。ともにコートに入っていた西村弥菜美(SAGA久光スプリングス)は言う。

「私が秋本選手をカバーリングする、というよりも本人が積極的にサーブを捕りにきてくれました。そこが彼女の良さだと思いますし、その意思を下げたくなかったので、私も『お願い!!』と託すような声かけをしていました。

 相手にサーブで狙われるなかでも、きっちりとレシーブして攻撃まで持っていく。その意識が見られた点は、とてもよかったと感じました」

 攻守にわたり積極的な姿勢で代表活動に臨んでいる秋本。韓国戦後のコートインタビューでは「サーブレシーブが苦手なのですが、今日は調子がよかった」と満面の笑みを浮かべつつ、「アタックでミスが増えてしまったので、そこは改善したい」と襟を正すことも欠かさなかった。

「まだまだ時間が必要です。多くの経験が、そして試合を重ねていくことで彼女はさらに成長していくでしょう」(アクバシュ監督)

 未来のエースは今、経験を重ねながら進化を遂げている真っ最中なのである。

[文:坂口功将]

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