(11日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 横浜16―0荏田=七回コールド) 今春の選抜大会を制した横浜の阿…

(11日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 横浜16―0荏田=七回コールド)

 今春の選抜大会を制した横浜の阿部葉太(3年)は、2年夏から伝統校の主将を担う。軽々しく「春夏連覇」という目標を口にしない。

 「まだ甲子園が決まったわけじゃないので」

 その挑戦権をつかむための、夏の神奈川大会の厳しさを思い知っているからだろう。

 俊足巧打の中堅手として1年夏からレギュラーを張り続ける中、夏は2年連続で決勝で敗退した。一昨年は全国制覇した慶応、昨年は全国8強の東海大相模。それも終盤に試合をひっくり返された。甲子園切符を目前で逃し、泣き崩れる先輩たちを見てきた。

 「もう負けたくない。ただそれだけの思いでやってきた」

 秋の明治神宮大会と春の選抜を制しても、あの悔しさを思い起こせば、「まだまだ」と思えた。

 春の関東大会は直前に右足を痛め、先発出場ができなかった。準決勝で専大松戸(千葉)に敗れて公式戦の連勝も27で止まったが、「泣いているひまはない」。そう仲間を奮い立たせた。

 迎えた荏田との初戦。けがは癒え、「3番・中堅手」の定位置に戻ってきた。二回に大会初安打を中前に運んで万全ぶりをアピール。チームはコールドで勝った。

 快勝にも、阿部葉の表情は険しい。二回の無死満塁の好機で1得点にとどまるなどして、五回で試合を決められなかった。

 「(神奈川大会決勝まで)7試合戦い抜く上で、点数を取れるところでしっかりとらないと。場面場面でやるべきことをもっとやらなければいけない」

 村田浩明監督からは常々、「夏に勝ってこそ本物」と言われてきた。妥協なく強さを追い求めた先に、甲子園はあるはずだ。(大宮慎次朗)