第107回全国高校野球選手権福井大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)の開会式が10日、福井市のセーレンスタジアム(県…

 第107回全国高校野球選手権福井大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)の開会式が10日、福井市のセーレンスタジアム(県営球場)であり、28校が参加した。試合は12日から同スタジアムと敦賀市総合運動公園野球場で始まる。日程が順調に進めば、決勝は26日午前10時から同スタジアムである。

 暑さを避けて午後4時から始まった開会式では、28校の選手たちが校名のプラカード、校旗に続いて3列になって堂々と入場行進した。昨夏の福井大会を制した北陸の高野翔主将(3年)が優勝旗を返還した。

 県高校野球連盟の松島真章会長は「今年のキャッチフレーズは沖縄の高校生がつくった『心をひとつに夢の先まで!』です。皆さんは、これに込められた思いに、どのようなプレーでこたえてくれるでしょうか。苦楽をともにした仲間との絆を胸に、とてつもない熱量で、夢の先まで突き抜けてください」とあいさつ。県教育委員会の藤丸伸和教育長は「選手の皆さんには、同じように努力を重ねてきた相手チームの選手へのリスペクトも忘れず、スポーツマンシップを大切に、フェアプレーの精神で臨んでください」と呼びかけた。

 朝日新聞の乗京真知・福井総局長は「主人公は皆さんです。はつらつと、伸びやかに、思い切ってプレーしてください」と選手たちを激励した。(鎌内勇樹、本間沙織、乗京真知)

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 開会式の司会は、希望者から抽選で選ばれた勝山の立壁晶紀さん(17)と、羽水の上野心愛さん(17)が務めた。2人は、明るくはっきりとした声でスムーズに式の進行にあたった。

 上野さんは、長くなるところは区切って、ゆっくりと大きな声で読む練習を重ねてきた。重責を果たし、「大舞台で選手をサポートする貴重な経験ができた。100点の出来だった」と満足そうだった。立壁さんは、家のリビングで家族に聞いてもらいながら、高校名を強調したり、言い間違ったりしないよう繰り返し練習した。「私にとっても最後の夏。選手の表情を間近で見て、勇気をもって戦って欲しいと願いながら進行した」と話した。(本間沙織)

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 福井大会の開会式で、高志の浅倉光徹主将(3年)は「戦後80年。時を超え受け継がれてきた高校野球の歴史を経て、107回目の夏を迎えられたことに、心から感謝しています。今年のテーマは『心をひとつに夢の先まで!』。幼い頃から甲子園という夢の舞台にあこがれ、大好きな野球を続けてきた私たちにとって、同じ志を持った仲間とともに3年間、白球と夢を追うことに情熱を注いできた高校野球。全員が夢に燃え、支えてくれた方々への感謝を胸に全力で戦い抜くことを誓う」と、力強く選手宣誓した。

 宣誓の文言は、自分で大枠を考えたうえで、チームメートらに見てもらいながら練りに練り、完成したのは開会式当日の早朝だったという。式の終了後、浅倉主将は「チームメートの思いも取り入れて、伝えたいことが多くなった。はっきりと言えたので、100点満点です」と胸を張った。(鎌内勇樹)