鈴木昭汰 (リーグ戦初登板を果たした次期エース候補 ライバルに追い抜き世代最強の投手を目指す) 「不動心」これはエースであるために必要なものの一つだ。チームを勝利に導く投手はどんな場面であっても動じない強い気持ちを持っていなければならないだ…

鈴木昭汰 (リーグ戦初登板を果たした次期エース候補 ライバルに追い抜き世代最強の投手を目指す)

 「不動心」これはエースであるために必要なものの一つだ。チームを勝利に導く投手はどんな場面であっても動じない強い気持ちを持っていなければならないだろう。この言葉を座右の銘としているのが鈴木昭汰(キャ1)だ。

 常総学院時代は1年から投手陣の主軸として活躍。3年夏の甲子園では優勝候補、履正社を相手に完投勝利し、8強進出の原動力となった。その後はプロへの道も考えたが大学でもっと力をつけたいという理由で法大へ。今季ついに対東大2回戦でリーグ戦初登板を果たした。勝ち点献上を避けるべく絶対に負けられない一戦、なおかつ無死満塁のピンチの場面での登板。1年生にとっては荷が重すぎると思われたが「緊張はなかった。満塁だったので逆に割り切れた」と持ち前の強心臓ぶりを発揮。失点したものの3回と1/3を投げ6三振を奪い、さらに打撃では適時打を放ちリーグ戦初安打、初打点も記録した。

 そんな鈴木昭には追い越したいライバルがいる。今季プロ1年目にして3勝をマークした同学年の藤平尚真(楽天)だ。U-15日本代表でともにプレーし、周囲からも比べられることが多かった。「藤平がプロに行った一方で僕は大学で野球をしている。そこは少し意識する」と話す表情からは悔しさが伺えた。とはいえ、戦う場所は違えどそれぞれのステージで奮闘する鈴木昭と藤平。2人がプロの舞台で投げ合う。そんな光景が見られる日もそう遠くはないだろう。

 4年間でどんな投手になりたいか、という質問に「確実に勝ちをつけられる投手になりたい」と答えた。ルーキー左腕は自分のキャリアだけでなくすでにチームのことまで意識している。法大のエース、そして3年後のプロ入りへ。鈴木昭汰の挑戦はまだ始まったばかりだ。(渡辺詩織)