菅野秀哉(キャ3)の2戦連続完投勝利で待望の勝ち点をもぎ取った早大戦。「全員が前を向いて戦っていこう」(森龍馬=キャ4)。連敗を喫した東大戦からチームやベンチの雰囲気も変わった。ピンチを背負う場面が何度もあった2回戦も、菅野の粘投と少ないチャンスをものにできたことで勝利をおさめるなど、チームの状態はいい状態に変わりつつある。このような良い流れで迎える最終カードの立大戦。優勝の可能性はなくなったが、来年の飛躍へ何としても勝ち点を奪いたいところだ。

 立大戦を勝ち抜く上で1つ目の壁となってくるのは、立大の打者陣だろう。立大には全日本大学野球選手権で最高殊勲選手賞を獲得した大東孝輔や、昨季立大1回戦で延長引き分けに持ち込む本塁打を放った山根佑太らチャンスに強い打者がそろう。特に大東は打率こそ現時点で2割3分3厘とふるわないが、対早大1回戦で逆転三塁適時打を放つなど、得点圏に走者を置いた場面では注意したい選手だ。また、昨季も3割2分1厘、今季も現時点で4割の打率を残している2年生の藤野隼大は今季無安打の試合がなく、安定して安打を量産するヒットメーカー。下位打線を打ってはいるが、藤野の出塁によりチャンスを作らせないようにしたいところだ。油断できない面々のそろう立大打線に対する法大の投手陣は、早大2回戦で173球を投げぬいた菅野、中日がなかった場合に2回戦先発が濃厚な鈴木昭汰(キャ1)、救援の軸である熊谷拓也(キャ4)、球威のある河野太一郎(文3)らが考えられる。1回戦は、完投も有り得るが先発が見込まれる菅野が多彩な変化球や140㌔後半の直球でどこまで粘り、熊谷ら救援陣につなげられるかが先勝するポイントとなってくるだろう。2回戦は、長谷川裕也(経4)がベンチを外れたため、絶対的な先発型投手が不在の中で行われる試合となることが予測される。そのため、救援陣の粘投や継投のタイミングなどが試合を大きく左右することになりそうだ。先発投手が菅野しかいない今、2連戦を戦い抜くためにも長谷川が調子を上げ復帰し、2回戦のマウンドに戻ってきてくれることに期待したい。

 2つ目の壁となってくるのは、田中誠也・手塚周の2年生先発コンビだ。田中誠也は171㎝と小柄ながらも1年春から登板し、昨季の3回戦では法大打線をわずか1安打に抑え完投。今季も防御率2.30と安定した投球を見せている。法大にとっては春の雪辱を果たす意味でも、何とか打ち崩したい投手だ。また、手塚も昨季は4安打に抑え込まれ敗北を喫した相手。今季終盤は先発した2試合で3回を待たず降板しており不調なだけに、田中誠に比べ早い段階で大量得点を奪い試合を決定づけたいところだ。先発2人を打ち崩す打線の軸となってくるのは、早大1回戦で決勝打を打ち2回戦では見事な本塁打を放った毛利元哉(法2)や、4番を任されている中山翔太(人3)、また勝負強い打撃に加え足も速い向山基生(営3)らだ。早大戦同様接戦が予想されるため、いかにミスなどを減らしていき、チャンスを無駄にしないで軸となる選手で得点を稼ぐかが重要となってくる。そのためには、小技を使える川口凌(人3)や全方向に安打を打つことのできる小林満平(法3)ら他の選手も含め、つなぐ打線を意識して戦って欲しい。守備の面では、守備が持ち味であるにも関わらず早大2回戦で3失策を犯した相馬優人(営2)に不安が残るが、空きの3日間で普段の守備を取り戻してくれるはずだ。

 優勝の可能性は0となり、4年生にとって最後の試合となった。昨年に続き“優勝を知らない世代”となった今年の4年生。皆が優勝を掲げて臨んだ今季も、投打がかみ合わず東大に連敗するなど敗戦が響き、優勝の可能性は消滅した。それでも連盟のポスターに優勝の瞬間を描くほど優勝に燃える森主将の下、“法政らしい野球”で最終戦を締めくくってくれるだろう。最後は誇りを持ち、笑顔で4年間の大学野球生活を終えてほしい。(中西陽香)