(10日、第107回全国高校野球選手権南北海道大会1回戦 知内4―3北星大付) 九回表、北星大付のベンチの思いは一つにま…

(10日、第107回全国高校野球選手権南北海道大会1回戦 知内4―3北星大付)

 九回表、北星大付のベンチの思いは一つにまとまった。

 「若松までつなげ」

 1死後、連打で同点の走者が出塁。2死と追い詰められたが、3番打者の畑未来翔選手(3年)が右越え適時二塁打を放ち点差は1点に縮まった。そして、主砲の若松七聖主将(3年)が打席に立った。2死二、三塁。一打逆転の好機で願ってもないバッターだ。

 3球目、直球を強振。打球は後方に上がった。捕手のミットに収まると、若松主将は天を仰いだ。

 約5時間半前の開会式。若松主将は選手宣誓に立っていた。

 「なかなかチームがまとまらない中、甲子園という夢をあきらめかけたときもありました」

 本音だった。雰囲気に波があるチームを引き締めるため、主将として厳しいことを言い続けてきた。どう声を掛ければ、チームが本気になれるか。それは、高校野球を始めた原点にあった。

 「甲子園という夢をかなえるため、私たちは高校野球を始めました」

 そんな一人ひとりの思いを確認し合い、たどり着いた最後の夏。地区大会では優勝候補の一角、東海大札幌を破った。甲子園の夢はかなわなかったが、チームの思いがまとまったからこそ、最後に若松主将の打席までつなげることができた。

 試合後、チームメート全員が若松主将に集まり、肩をたたき合って泣いた。(朽木誠一郎)