第107回全国高校野球選手権山形大会が10日、中山町のヤマリョースタジアム山形で開幕した。開会式では、出場する40チー…

 第107回全国高校野球選手権山形大会が10日、中山町のヤマリョースタジアム山形で開幕した。開会式では、出場する40チーム(43校)の選手たちが元気よく行進し、会場から大きな拍手が送られた。開幕試合は、米沢東が13―5の7回コールドで北村山・谷地・上山明新館の3校連合を下した。大会はヤマリョーのほか、米沢市営野球場、新庄市民球場、鶴岡ドリームスタジアムの4球場が会場となり、26日に決勝がある。

 開会式には多くの高校生が協力した。進行アナウンスは、いずれもマネジャーの東桜学館の秋場めるさん、谷地の奥山陽菜さん、九里学園の岩崎みのりさん、酒田南の斎藤りいなさんが担当した。入場行進は、羽黒の軟式野球部の会田大嘉(あいたたいが)主将が先導。鶴岡東と谷地の吹奏楽部が演奏した。

 国歌「君が代」を山形北の吉田萌音(もね)さんが清らかに独唱。開会式後、「緊張しました。選手たちの力になれたらいいなと思って歌いました。研鑽(けんさん)を積んできた自分を信じて、最後まで挑戦する気持ちを大事に頑張ってほしい」と話した。大会歌「栄冠は君に輝く」は、各校のマネジャーが歌った。

 大会会長として、県高校野球連盟の安部康典会長があいさつ。「最後まであきらめずにプレーする、ひたむきな姿勢。転んでも必ず立ち上がる、その精神こそが、みなさんの未来を切り開いていく大きな力となります」と激励した。

 開幕試合の始球式は、全国高校総体のスキージャンプ(ヒルサイズ100㍍)で優勝した、日大山形スキー部の布施飛雄真(ひゅうま)選手が務めた。

■寒河江工の安藤主将、宣誓の出来は「100点満点」

 「一番近くで応援してくださった家族、たくさんの情熱を注いでくれた先生方、お互いを信じて進んできたチームメート、すべての人たちへの感謝を胸に、全員主役で戦います」。寒河江工の安藤滉(あきら)主将(3年)は選手宣誓でこう切り出し、支えてくれた人々への感謝の思いを伝えた。

 印象的だったのは、感謝に続く言葉だ。「私たちは学校や地域の枠を超えて集まり、それぞれ違う場所でそれぞれの思いを胸に日々努力を重ねてきた。そんなチームメートと一緒に戦うことができるのはこれが最後です」

 選手宣誓後、この言葉に込めた思いについて、自身が1年生の秋、左沢との合同チームで出場した経験があったことを明かした。「練習したくてもできない環境のチームもいる。単独出場するチームだけではなく、学校や地域の枠を超えて試合に挑むチームも応援したいと思った」という。

 宣誓の出来は「100点満点」。これを自信に、最後の夏にも全力でのぞむつもりだ。(安斎耕一)