(10日、第107回全国高校野球選手権福岡大会2回戦 香椎工13―3福岡工大城東) 0―6で迎えた八回裏2死一、二塁。…

 (10日、第107回全国高校野球選手権福岡大会2回戦 香椎工13―3福岡工大城東)

 0―6で迎えた八回裏2死一、二塁。「なんとか1点かえしたい」。福岡工大城東の和田真成人(まなと)選手(3年)はその一心で打席に立った。

 ベンチにいる仲間やスタンドにいる同級生の声、吹奏楽の音色、観客のかけ声も聞こえた。「みんな応援してくれている」。バットを持つ手に力が入る。相手投手の球を鋭くはじき返すと、打球は右中間へ。ランニング本塁打で一挙に3点をかえした。

 本塁で、先に生還していた走者と笑顔でハイタッチ。スタンドも沸き立った。

 試合には敗れ、悔しさが残る。「最後の夏だった。やりきれない」。それでも、最後まで粘りを見せられた、と思う。「チームメイトと支え合って、練習の成果が出せた。みんなに感謝したい」(根元紀理子)