(10日、第107回全国高校野球選手権茨城大会2回戦、土浦湖北2―3藤代) 3点リードを許した六回表、土浦湖北の先頭打…
(10日、第107回全国高校野球選手権茨城大会2回戦、土浦湖北2―3藤代)
3点リードを許した六回表、土浦湖北の先頭打者は4番の奥畑優梧(3年)だった。狙っていた初球をフルスイングして左翼への安打とし、一塁上で笑顔を見せた。その後、後続の安打などで1点目の生還を果たした。
いつも笑顔の高校野球人生ではなかった。
今年1月、素振りのしすぎなどで腰のけがが悪化し、コルセットをして練習を制限した。練習試合に出られるまでに回復したのは、6月だった。
今月6日の1回戦(磯原郷英戦)は2打数無安打。「言い訳はしたくない」と、腰の影響について多くを語らなかった。
藤代戦では、九回表の好機で打席が回ってきた。2―3の1点差、2死一、二塁。でも、三振で夏が終わった。「みんなに申し訳ない」。下を向いてうなだれた。
試合後、責める者はいない。土佐一成監督は「力を出し切った。奥畑が打てなかったら、チームとしてはしょうがない」とたたえた。
こんな仲間と共に戦い、晴れやかな表情だった。「好機で必ず打つ打者になる」と誓った。
帽子のツバには「常笑野球」と書かれていた。卒業後は独立リーグ入りを目指す。常に笑顔になるくらい、野球を楽しむ選手になるつもりだ。(後藤隆之)