<2025年全国高校野球選手権埼玉大会:本庄6-1浦和東◇9日◇1回戦◇県営大宮球場 今年も埼玉の暑い夏がやってきた。革…

<2025年全国高校野球選手権埼玉大会:本庄6-1浦和東◇9日◇1回戦◇県営大宮球場

 今年も埼玉の暑い夏がやってきた。革新的な埼玉県は今年も暑熱対策として明日からの稼働になるがベンチ前にミストが設けられた。あくまで試験的な運用で好評であれば今後、随時全球場に備え付けられる可能性がある。

 開幕カードは石井翔太(2年)や吉野琥太郎(2年)、林燈吾(2年)など2年生に有望選手を多く擁する本庄と平日ながら全校応援を行った浦和東との一戦。

 先発は浦和東が2年生左腕・吉田倖太郎、一方の本庄は「こういう場面を経験させたい。本来は制球が良いので」(江原監督)と、春以降に右上手から下手気味の投球フォームを大幅に変更した吉野が登板し試合が始まる。

 大声援を背に試合序盤はどちらかといえば浦和東ペースであった。

 浦和東・吉田の「制球良く直球も動く」(生田監督)投球の前に、本庄打線は走者こそ出すが得点を奪えない。一方、本庄・吉野は毎回のようにピンチを迎え何とか無失点で切り抜ける展開。

 先制したのは本庄であった。

 3回表、二死一塁、3番・吉野の打席の際に、本庄ベンチはエンドランを仕掛けると吉野は期待に応え三塁線を破る適時二塁打を放ち1点を先制する。

 だが、3回裏、本庄はエラーによりすぐに同点とされる。

 それでも本庄は5回表、一死から9番・齋藤匠大(3年)がヒットを放つと、すぐさまディレードスチールを決め一死二塁とする。続く酒井尊央(3年)がライト越えの適時三塁打を放ちまず1点、さらに2番・髙荷優斗(3年)のスクイズが内野安打となり2点を勝ち越す。

 だが、その裏、一死二、三塁のピンチを招くが、

 「ここはエースでないと抑えられないかな」(江原監督)

 と、本庄ベンチはここでエース今井塁(3年)へ継投する。今井は代わり端、死球を与え一死満塁と傷口を広げるが後続を封じ無失点で切り抜けると、7回裏、一死二、三塁のピンチも無失点で凌ぐ。

 すると流れは本庄へ傾く。

 5回以降攻めあぐねていた本庄は8回表、吉野、石井、今井の3連打でまず1点、さらに相手エラーと二死二、三塁からのダブルスチールにより得点を重ねるなど、結局この回一挙3点を奪い6対1と点差を広げ、試合の大勢は決した。

 投げては吉野、今井のリレーで粘る浦和東打線を1失点に抑える。

 結局、本庄が開幕カードを制した。

 本庄はこの日うまく機動力を使い流れを持ってきた。

 「昨日テストが終わって前半苦しむのは想定内。吉野はもう少し投げられるかなと。機動力に関しては左投手なので3盗を考えていたのですが、なかなか走者を2塁まで行けなくて。ホームスチールに関しては相手が2段モーションだったのでアイコンタクトで。その辺りは練習試合でやっている」と、江原監督もしてやったり。

 また、この日は投手リレーも決まり再三のピンチもよく凌いだ。エース・今井も手応えを掴んでいた。

 「春先からあまり状態が上がらず、自分のスタイルを見失った時期があった。良い状態が続かない中で、吉野が練習試合でもうまく繋いでくれて自分もやらなければと必死に練習して今の自分を取り戻すことができた。監督と話し合いながら自分のスタイルを見直して、変化球を磨いていつでもストライクを取れるように。1ヶ月前から吉野が先発して自分がリリーフっていうパターンが出来てから練習試合の勝率も安定してきたので今日も大事な舞台で投げ抜くことが出来て良かった」

 次の相手は浦和麗明だ。打倒私学に燃える本庄が吉川翔馬投手擁する浦和麗明に挑む。