◇9日◇2回戦◇明治神宮外苑球場 昨夏は4回戦進出を果たしている立教池袋。昨秋も都大会2回戦進出、今春も都大会では2つ勝…
<2025年全国高校野球東東京大会:立教池袋3―2目黒>◇9日◇2回戦◇明治神宮外苑球場
昨夏は4回戦進出を果たしている立教池袋。昨秋も都大会2回戦進出、今春も都大会では2つ勝って3回戦に進出するなど、ある程度安定した力を示している。春季大会では、思い切りのいいスイングが売りの錦城学園を粉砕した。しかし、敗れた試合はいずれも強豪校にコールド負け。悔しい思いも経験しながら挑む夏である。
目黒は、今春はブロック代表決定戦で近隣の目黒日大との目黒ダービーとなったが、乱戦の末11対12で敗れている。昨夏の東東京大会でも初戦で大崎に敗退しているだけに、「何とかこのチームでの勝利を」という思いは強い。
試合は初回、お互いが1点ずつ奪い合う。目黒は一死満塁から5番中村 賢太郎選手(3年)の犠飛、立教池袋は二塁打の2番東前 壱星選手(2年)が暴投で三進し、続く田知 隼人選手(2年)の左前打で還してのものだった。
2回にも目黒は二死走者なしから安打と1番田畑 孝太選手(3年)の三塁打で再びリード。追う立教池袋は、3回に二死走者なしから、クリーンアップの3連打で再び追いつく。立教池袋は、春季大会から田知捕手と工藤 佑斗投手(3年)、和島 章太郎選手(3年)の3人には破壊力がある。
その力はしっかりと夏にも発揮された。結果的には決勝点となる5回の1点も二死走者なしから四球後、和島選手の二塁打によるものだった。そして、後半はお互いに凌ぎ合い、守り合いという展開になった。
立教池袋は工藤投手がスイスイと投げて、この暑さの中でもケロッとした表情で完投した。目黒の加藤春彦監督は、競り合いだっただけに、悔しさをにじませていた。
「勝てる可能性のある試合だったので、悔しいですね。工藤君はいい投手だということは聞いていましたが、打線にはある程度自信も持ってきていました。ストレートに的を絞っていって10点前後の取り合いになるかなと思っていましたので、こんなロースコアゲームになるとは思ってもいませんでした。投手陣は、間で1年生(佐藤光葵投手)を挟みましたが、3失点は上出来です。ただ、工藤君を攻め切れませんでした。悔やまれるのは、8回に二塁まで進めて、期待の今井(海偉)が、引っ掛けて打たされたところですかね」
立教池袋の藤本勉監督は、「やっぱり初戦の硬さはあったのでしょうかね。もっと振れると思うのですけれども、今日は振りが鈍かったと思います。それでも、こういう守り合いになって、工藤がよく投げたというところもありました。田知がいいリードをしていたし、ショートバウンドボールをよく止めていました。あれを後逸していたら、タテ変化のボールを投げられなくなりますからね」と、2年生ながら好リードの田知捕手を評価していた。
試合時間1時間52分。この暑さの中で、テンポのいい試合を展開したのは、評価されていいだろう。5回以外の給水などの中断もなく、きびきびとした動きは終始続いていた。こうしたところを見ていると、両チームの日頃の練習の取り組み方もよかったのだろうと思わせてくれるものだった。