<2025年全国高等学校野球選手権京都大会:京都廣学館9-4洛東(延長10回)>◇9日◇2回戦◇太陽が丘球場 ソフトバン…
<2025年全国高等学校野球選手権京都大会:京都廣学館9-4洛東(延長10回)>◇9日◇2回戦◇太陽が丘球場
ソフトバンクの三軍監督を務める斉藤 和巳氏の母校である京都廣学館が初戦突破。エースの藤井 智基投手(3年)が11安打を浴びながらも無四球完投でチームを勝利に導いた。
京都廣学館は今春に阪神とロッテで投手として活躍した遠山 奬志氏が特任投手コーチ兼チーム強化アドバイザーに就任。「配球のことや打たれた時のメンタルの保ち方、マウンドさばきなど、ピッチャーのことは全般的に教えてもらっています」と藤井は言う。
藤井は自慢のコントロールが冴え渡り、7回まで1失点。「いつも練習試合の時から打たせて取るピッチングをしています」と丁寧な投球で守りのリズムを作った。
しかし、2対1と1点リードの8回裏に連続適時打を浴びて、逆転を許してしまう。1点を追う9回表の攻撃も二死走者なしと追い込まれたが、ここから京都廣学館が脅威の粘りを見せた。
3番・上田 楓人内野手(3年)、4番・伊藤 一輝捕手(3年)の連打で一、二塁のチャンスを作り、ここまで2安打1打点と当たっている5番・斉藤 隆太外野手(3年)に打席が回る。
「前の2人がつなげてくれたので、僕が還すという気持ちで打席に立ちました」という斉藤は初球をジャストミート。三遊間を破る適時打を放ち、土壇場で同点に追いついた。
試合は延長戦に突入。10回表に無死満塁から藤井が押し出しの四球を選んで勝ち越しに成功すると、その後も攻勢をかけて6点のリードを奪った。
この試合は両チームに足を攣る選手が続出したが、「元気で投げるのがピッチャーの仕事。昨日、ちゃんと寝られたのが効いたと思います」と藤井は最後まで元気な姿でマウンドに立ち続ける。10回裏は洛東の反撃を1点に抑え、大熱戦をものにした。
この日は原 隆徳監督の37歳の誕生日。選手たちは「ハッピーバースデー大作戦」と称してこの試合に臨んでいた。最高の誕生日プレゼントをもらった指揮官は「ありがたいですね」と笑顔。苦しみながらも勢いがつく勝利となった。