◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 事前(9日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パー7…
◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 事前(9日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パー71)
前年覇者には、コースからほど近い高級ホテル「ホテル・ロイヤル」の一室が用意される。古江彩佳は「(今週)泊まってはいないけど、部屋は見させてもらいました」と笑う。
ホテルの駐車場に止めてあった、これまた前年覇者の特典であるコーテシーカー(大会期間中の移動に使える車)だけありがたく拝借。フォルクスワーゲンのコンパクトカーはチャンピオンとしてちょっと控えめなようで、道が決して広くないエビアンの街を走るにはもってこいのサイズ感。日々のコースとの往復を含めて大活躍しているそうだ。
「人生が変わった」と話すメジャー初制覇からの1年は、全てが思い通りに運んだわけではない。日本勢初のシーズン平均ストローク1位の証し「ベアトロフィ」を獲得して2024年を締めくくったのち、25年に入ってからは3度のトップ10フィニッシュをしていても「(US)LPGAで戦っている(4シーズンの)中では一番悪い状態なのかな」とシビアに見ている。
5月以降の出場7試合でメジャー2試合を含めて3度の予選落ち。「ただ、上位争いしたいっていう気持ちが強すぎた」という反省は、自らの状態に対する向き合い方につながる。「ベストな状態、スイングではなかった。その分、『ちゃんと振らなきゃ』みたいに、逆に思い込みすぎた部分もあるのかな」
2週前のダブルス戦「ダウ選手権」で本来の試合を楽しむマインドの大切さを再認識。同試合を終えてからの一時帰国は慌ただしい合間を縫ってコーチの父・芳浩さんに2~3時間だけ練習をチェックしてもらうことができた。「(悪かった時期に比べれば)上向き気味。完璧ではないですけど、少し調整するところは見つけられた」と素直に言った。
数年前の大会期間中に知り合った現地のファンが今年も早くから応援に駆けつけてくれている。エビアンに別荘を所有するフランス人の家族で、昨年はパリの家にホームステイしながら花の都を案内してもらうなど一気に仲良くなった。古江のショット前ルーティンを忠実に再現したイラスト入り特製ピンバッジも身に着けての熱烈なサポートにテンションも上がる。
「今年もしっかり上位争いをして、また大会を盛り上げられる存在であれたらいいなと思います」。日本勢初のメジャー連覇へ、謙虚に意気込んだ。(フランス・エビアン/亀山泰宏)