GM、監督の解任で小笠原の起用法は変わるだろうか(C)Getty Images ナショナルズの小笠原慎之介がついにメジャ…

GM、監督の解任で小笠原の起用法は変わるだろうか(C)Getty Images

 ナショナルズの小笠原慎之介がついにメジャーのマウンドに立った。7月6日、本拠地でのレッドソックス戦に先発し、初回から失点するなど苦しい立ち上がりとなり、3回途中で降板。チームが4-6で敗れ小笠原は敗戦投手となるなど、初の公式戦は悔しい結果に終わっている。

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 小笠原は初回、レッドソックス先頭のネイト・イートンに1球目の速球をライト前に運ばれ、いきなりランナーを背負うと、一死後、盗塁でランナー2塁となると、3番ロマン・アンソニーの単打で1点を献上。続く4番ロブ・レフスナイダーの左中間2塁打で追加点を奪われる。長短打3本を打たれた後、迎えた5番トレバー・ストーリーには高めのスライダーをとらえられ、レフトスタンドへの2点本塁打で計4失点。何れも胸元の高さのボールが狙われ、不安定な立ち上がりとなった。

 その後は失点こそ無かったものの、2回2/3で交代を告げられており、メジャー初マウンドは試合序盤で無念の降板。小笠原にとって苦いデビュー戦となった。

 この日本人左腕のパフォーマンスに対し、現地識者も冷静な評価を下している。米メディア『MASN』でナショナルズの記事を担当する、マーク・ザッカーマン記者は同サイトにおいて、小笠原の初マウンドを以下の様に振り返った。

「ナショナルズにとっても、球団史上初の日本人フリーエージェントであるシンノスケ・オガサワラにとっても、メジャーリーグデビュー戦の初回は、非常に長い一日になることを予感させる内容だった。わずか5人の打者を相手に、左腕のオガサワラはレッドソックスに4失点。彼の投球の引き出しは、メジャーの舞台にはまだ早かったという印象を与えた」

 ザッカーマン氏による厳しい見解は続き、打たれたボールが高めのコースだったことに加え、最速も「92.6マイル(約149キロ)止まりだった」と指摘した上で、「このようなアプローチは日本のプロ野球では通用しても、メジャーでは通じにくいことが明らかになった」と綴っている。

 だが一方では、2回以降でも安打を許しながら無失点だった結果を踏まえ、「オガサワラは2回2/3、55球で降板となったが、実際に失点したのは初回の4点のみで、見た目よりも悪くない内容だったと言える」などと評している。

 ナショナルズはこの試合後、成績不振によりデーブ・マルティネス監督、マイク・リゾGMの解任を発表。チームが激震に揺れたこの日、奇しくも大舞台でデビューを飾ることとなった小笠原。初戦の悔しさを刻み、新たな道のりを歩んでいく。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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