(9日、第107回全国高校野球選手権熊本大会1回戦 天草拓心・牛深・上天草1―8真和=7回コールド) 「人生最後の打席か…

(9日、第107回全国高校野球選手権熊本大会1回戦 天草拓心・牛深・上天草1―8真和=7回コールド)

 「人生最後の打席かもしれない。自分のすべてを出し切ろう」。3校連合(天草拓心・牛深・上天草)のエース・浦本健太朗主将(天草拓心、3年)は、意気込んで打席に入った。

 七回2死まで1人の走者も出せず、完璧に抑えられていた。土俵際のチームをまず救ったのは、バッテリーを組む同じ学校の後輩・松村隼斗選手(2年)だ。右翼への打球は芝生で弾み、初の走者は三塁に進んだ。

 5点先行されていたが「点が入れば、流れが変わるかもしれない」との思いもよぎり、力が入った。狙いは直球。初球を振り切ると、打球は左翼線フェアゾーンに落ち、二塁打に。スコアボードには待望の1点が輝いた。

 ただ直後に失点し、コールド負けとなった。連係などの練習時間が足りないという課題があったが、みんなで「エースで4番」の自分をチームの中心として盛り上げてくれたことに感謝している。公式戦1勝はかなわなかったが、「後輩がきっと強いチームにしてくれる」と夢を託した。(座小田英史)