(9日、第107回全国高校野球選手権京都大会2回戦 北嵯峨5―4洛水) 北嵯峨は初回、守備の乱れから3失点。2年生捕手…
(9日、第107回全国高校野球選手権京都大会2回戦 北嵯峨5―4洛水)
北嵯峨は初回、守備の乱れから3失点。2年生捕手の政(まさ)己貴(みつき)さんは、打撃妨害などで失点につながるプレーを重ねてしまった。「先輩に申し訳なかった。正直、負けたら自分のせいだと思っていた」
それでも、3年生たちは誰ひとり政さんを責めなかった。主将の加藤弘基さん(3年)は「お前のミスなんかどうでもいい。俺が打って返したる」と励まし、先発投手の西村那佑太(なゆた)さん(3年)も「負ける気はしなかった」と、9回を3安打に抑える力投を見せた。
2点を追う九回裏、同点に追いつき、なおも1死一、二塁。打席には加藤さん。「クリーンアップとして、主将として、自分が決めないと」。強い気持ちで振り抜いた打球は左翼手の頭上を越え、劇的なサヨナラ勝ちとなった。
試合後、牧野隆史監督は「序盤は硬さが出たが、3年生がよくカバーした。頼りないと思っていたけど、少しは成長したかな」と3年生をたたえた。
政さんは「いい先輩に恵まれた。3年生と一つでも多く試合がしたい」と次戦への決意をにじませた。(木子慎太郎)