第107回全国高校野球選手権石川大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)が、11日に開幕する。今夏、甲子園への切符をつか…
第107回全国高校野球選手権石川大会(朝日新聞社、県高校野球連盟主催)が、11日に開幕する。今夏、甲子園への切符をつかむのはどのチームか。石川県内の高校野球に詳しい2人に各ゾーンの見どころを聞いた。(構成・砂山風磨)
■四つのゾーンを分析した2人
山本雅弘さん(74)
前遊学館監督。2001年の創部と同時に就任し、翌年の夏に甲子園8強入りを果たす。以来、同校を春夏通算7回、甲子園へと導いた。
赤土悦崇さん(69)
石川県高野連元副会長。石川県工で監督と責任教師、小松工で責任教師を歴任。高校野球の魅力は「選手の流す汗」と語る。
■春の県大会優勝の小松工と羽咋工が軸/Aゾーン
――Aゾーンの展望は
山本 春の県大会で優勝の小松工と、8強の羽咋工が、実力では抜けている。ただ、それぞれ初戦を戦う寺井と金沢西も力がある。どんなチームも夏の初戦は実力を出すのが難しい。
赤土 初戦を突破できれば、流れに乗っていくだろう。小松工は、見逃し三振が少ないのが魅力。積極的に振っていく姿勢が、春大会の結果につながった。
山本 羽咋工は、どの選手もストライクゾーンを幅広く打てて、侮れない。春大会は、優勝の小松工を最も苦しめた。
■前年度優勝の小松大谷がシードに/Bゾーン
――Bゾーンはどうか
赤土 やはりシード校。小松大谷は、昨年夏の甲子園の経験を生かして、どんなパフォーマンスが見られるか楽しみ。金沢学院大付は、投手の石崎大空(そら)の仕上がりに期待。
山本 小松大谷と小松明峰の対戦は、小松大谷の田西称(とな)と、小松明峰の竹中大雅の両スラッガーの対決が見どころ。金沢商と金沢桜丘の伝統校対決も注目。卒業生が両校から駆けつけて、観客が多い中での試合になる。
■星稜に日本航空石川、強豪揃いの大激戦区/Cゾーン
――Cゾーンは
赤土 強豪校がひしめく大激戦区。星稜と日本航空石川を中心に、非常に力のあるチームが集まっている。輪島は春大会で、星稜に1点差で敗れたが、力強い攻撃だった。上位を狙えると思う。
山本 一戦一戦、力の抜けない対戦が続く。昨年の中学軟式野球の県大会で優勝した珠洲市立緑丘中から多く入部した飯田の戦いが楽しみ。金沢龍谷は、投手陣が多彩。中川隼輔の140キロ後半のストレート、山本伝蔵の縦カーブが絶品で、注目している。
赤土 小松商や津幡も上位の常連。ここを勝ち上がってきたチームは、実力があり、リズムに乗っているので楽しみだ。
■選手層厚い公立校、門前に期待/Dゾーン
――最後にDゾーンは
赤土 シード校の金沢と門前、加えて遊学館が中心。金沢は投手の西木戸太郎、足の速い堀祐樹に注目している。門前は公立校の中で、最も選手層が厚く、春大会も8強。震災からの復興に取り組む輪島市門前町の皆さんを勇気づけると思うので、頑張って欲しいチームの一つだ。
山本 門前と金沢市工は、門前の石田煌峨、金沢市工の川初政宗の身長180センチ超の両投手の対戦が楽しみだ。金沢二水と石川県工は、ベンチから大きな声を飛ばす寺師誠監督、北橋義仁監督の熱血指導者同士の対決。そんな両監督に育てられた選手たちの戦いが見ものだ。
――大会への期待は
山本 今年は戦国時代だ。どのチームが優勝するか、本当に分からない。この暑い中で戦うことになるので「どうしても甲子園に行きたい」という気持ちが大きいチームが勝ち抜くだろう。
赤土 春の選抜大会で21世紀枠に推薦されながらも、選ばれなかった小松工の思いは強く、2000年以来の公立校が夏の甲子園に行く姿も見たい。ただ、どの学校も本当に頑張っている。自分たちの力を出し切ってほしい。