第107回全国高校野球選手権山形大会が10日に開幕する。開会式は午前10時半から、中山町のヤマリョースタジアム山形であ…

 第107回全国高校野球選手権山形大会が10日に開幕する。開会式は午前10時半から、中山町のヤマリョースタジアム山形であり、ウェブの「バーチャル高校野球」でライブ配信する。

 開会式では、山形北高音楽科の吉田萌音(もね)さん(3年)が国歌「君が代」を独唱する。澄みわたるソプラノで、伸びやかに響く歌声の持ち主だ。「私の歌への熱意が選手に伝わって、奮起するきっかけになってほしい」と願っている。

 声楽を専攻する吉田さんは、オペラの合唱団員として山形交響楽団と共演した経験も持つが、独唱は初めて。しかも今回の「ステージ」は、球場。屋外で歌を披露するのも初めてだ。

 でも、舞台度胸は身についている。「いつも、歌声がホールの奥まで届くように心がけています。歌うときは自分が木だと思って、根をしっかり張るように体を支え、息の通り道をまっすぐにする。そうすると、遠くまで響きます。球場では、一番遠くの席にも聞こえるように歌いたい」

 「君が代」は教科書の楽譜では「レ」の音から始まるが、ソプラノの音域に合わせて、少し高い「ファ」から歌い出すことにした。そのぶん、高音の清らかさが増し、持ち前の声量も生かしながら、張りのある響きで歌えるようになった。

 「今まで研鑽(けんさん)を積んできた選手のみなさんに、試合では自信を持って挑戦してほしい。その気持ちを込めて歌い上げます」と、本番を待ち望んでいる。(渡部耕平)