改善の兆しが見えずに苦悩している角田。(C)Getty Images どうすれば、苦しい現状を打破できるのか――。F1の…

改善の兆しが見えずに苦悩している角田。(C)Getty Images
どうすれば、苦しい現状を打破できるのか――。F1のレッドブルでスランプ状態に陥る角田裕毅の悩みは尽きない。
現地時間7月6日に決勝が行われた今季の第12戦の英国GPでも角田は苦しいパフォーマンスを露呈した。完走したマシンの中で最下位の15位でチェッカーフラッグを受けた結果もさることながら、内容は何よりも厳しい。レース後に「なぜか僕だけが極端に遅く、走っていて頭が混乱するほどだった」と漏らした25歳は、最後までマシンのペースを上げきれず……。1周遅れと開かれたマクラーレンのランド・ノリスをはじめ、上位陣との差は歴然としたものがあった。
F1公式サイトのフラッシュインタビューに応じた角田は、自身の現状を嘆くように、こう漏らしている。
「こんな感覚は初めて。ダウンフォースが低いマシンなのはわかっていたけど、それでも雨中の走行には自信があった。しかし、今日はペースがまったく上がらず、最後まで迷子になったような状態が続いた」
迷子とは言い得て妙である。今季マシン『RB21』の素性の悪さもあって、今まさに「負のスパイラル」にハマっている角田の走りは、最適解を見出せずに自信が欠如しているようにも見える。
そんな“揺らぐ”25歳には、海外メディアの評価も辛い。英専門メディア『The Race』は、先の英国GPにおける「勝者」と「敗者」を選ぶ企画記事において角田を後者に断定。「この日曜日が、今後のツノダにとって確固たる基盤になるかもしれないという考えは、雨によってすぐに洗い流されてしまった」と戦略の差で入賞圏内から遠ざかってしまったレースをシビアに振り返っている。
「ツノダ自身は、(雨の)コンディションに『自信があった』と語っただけに不可解だ。今の彼が見せるレースには救いがない。ペナルティを招いたオリバー・ベアマン(ハース)との接触によるインシデントの責任を彼は認めたが、それがなかったとしても彼は最下位に終わっていただろう」
とはいえ、改善の兆しは一向に見えない。角田自身はエンジニアたちとコミュニケーションを図って、策を練り続けているが、いざ本番となると計画が瓦解する。そんな苦しいレースが続く現状を踏まえて『The Race』は、キッパリと言い切っている。
「今GP(英国GP)においてもツノダは、スリック(晴れ用)タイヤであろうと、インターミディエイト(小雨用)タイヤであろうと、ペースが氷河のように遅く、常にフィールドで最遅だった。天候がチャンスを生み出し、全体的にリタイア率が高かった中でもツノダはポイントを獲得する可能性を示さなかった」
ロングランでのペースに苦しみ、上位陣との争いで後塵を拝してしまう。そんなパフォーマンスをいかに変えられるか。ベルギーのスパ・フランコルシャンで実施される次戦までの約3週間は、角田にとって立て直しを図る“ラストチャンス”となるかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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