(8日、第107回全国高校野球選手権大分大会1回戦 別府鶴見丘9―0大分上野丘=七回コールド) 最速で110キロに達し…

 (8日、第107回全国高校野球選手権大分大会1回戦 別府鶴見丘9―0大分上野丘=七回コールド)

 最速で110キロに達しない直球に、さらに遅い変化球をおり交ぜ、凡打の山を築いた。七回2死で交代するまで、許した走者は四球の3人だけのノーヒットピッチング。別府鶴見丘のエース都留啓吾投手(3年)が持ち味を発揮した。

 部員が少なくなった1年の秋、「左投げ」という理由で投手をやることに。でも、速い球が投げられない。困っていると、「ゆっくりでも抑えられる。テンポとかを考えて」と三浦親弘監督。80キロぐらいの遅い変化球を身につけ、コーナーをつく制球力を磨いた。打者のタイミングをずらす投球術も練ると、打たせて取る投球ができるようになった。

 三浦監督は「エースの背番号をつける選手の中で(球速が)一番遅いかも」と話す一方で、「自分を知っている。誰にもまねできない」。投手としての成長を高く評価する。

 「注目される打者や『ここは要注意』みたいな場面を、緩い球で抑えた時はすごくうれしい」と都留投手。磨き上げた武器で次戦も勝負する。(大村久)