不振に喘ぎ、結果を残せぬ日々を送る角田。そのパフォーマンスは議論の的となっている。(C)Getty Images 約3週…

不振に喘ぎ、結果を残せぬ日々を送る角田。そのパフォーマンスは議論の的となっている。(C)Getty Images
約3週間のブレイクは、負のスパイラルに陥る25歳にとってどのような時間となるのか。F1の名門レッドブルで悪戦苦闘の日々を送る角田裕毅だ。
スランプのトンネルから脱出する兆しは、まだまだ見えていない。現地時間7月6日にチームの本拠地であるシルバーストーン・サーキットで開幕した英国GP決勝で、角田は完走した15台のうち最下位でフィニッシュ。22週目にハースのオリバー・ベアマンとの接触によるタイムペナルティ(10秒)を科された影響もあったが、優勝したマクラーレンのランド・ノリスに1周遅れの大差をつけられたのは、6戦連続でポイント喪失となった苦しい現状を大いに物語った。
前回のオーストリアGPから続く2週連続での最下位。この屈辱的な内容は、何よりも「結果」を求められている今の角田にとって、あまりに痛恨。一部でしきりに論じられてきた“更迭論”を激化させるものともなった。
無論、かねてから操作困難とされているマシン『RB21』の不具合による影響は小さくない。先述の英国GPの予選においても角田は、パワーユニットの問題によってQ2敗退。その状態の悪さは、決勝後にも「また急にペースが遅くなった。今日はなぜか僕だけが極端に遅く、走っていて頭が混乱するほどだった」と嘆いたほどである。
ゆえに一向にマシン性能が改善されない状況に同情する声もある。英モータースポーツ専門サイト『F1 Oversteer』は、レッドブルのF1における歴史において2週連続で最下位となったのは角田が初という“負の記録”を伝えた上で「ツノダにとってレッドブルでの日々はまさに悪夢だ」と指摘。「彼が引き継いだ混乱したチーム状況を考えると無念だ。彼はより良いチャンスを得るに値している」と論じた。
「レッドブルのマシンは、マックス・フェルスタッペン以外は誰にとってもペースを引き出すのは不可能だということを証明している。まずは、次戦までの3週間をかけ、何がそんなにうまくいかなかったのかを検証する必要がある」
無論、同メディアも「ツノダがシートを守るためには、まずはしっかりとした成績を残さなければならない」と指摘する。一方でアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)などが候補となっているシーズン中の新たなドライバー交代は「正しくはない」と説いている。
「今シーズンのような状況、そしてこのタイミングでツノダを外すのは、彼の立場を引き継ぐ人が誰であろうと、チームを完全に破滅させてしまう可能性がある。今のところ見通しは暗い。だが、準備やテスト、マシンの開発に関する発言権もほとんど与えられないまま投入されたことは、日本人ドライバーにとって全く公平とは言えない」
果たして、角田は束の間の休暇期間をいかに生かすのか。レッドブル首脳陣の動きを含めて目が離せない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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