<2025年全国高等学校野球選手権群馬大会:高崎商7―1前橋南>◇7日◇1回戦◇高崎城南球場 これまで夏は7回、春は2回…
<2025年全国高等学校野球選手権群馬大会:高崎商7―1前橋南>◇7日◇1回戦◇高崎城南球場
これまで夏は7回、春は2回の甲子園出場を誇る高崎商。ストッキングのデザインにも、その歴史は刻まれている。橙色のラインは夏の甲子園出場、赤色のラインが春のセンバツ出場。そして、深緑色のラインが戦前の甲子園出場を表している。かつては一本ずつのラインで示し、それが高崎商のインパクトにもなっていたが、創部100周年を機に、OBからの要請もあって、太い線にまとめたという。
群馬県では現在こそ、健大高崎や桐生第一、前橋育英が群馬県を代表する存在となっているが、昭和時代後半から平成にかけて、高崎商は桐生や前橋工と共に群馬県を引っ張る存在でもあった。地域に根差した伝統の商業校でもありOBも多く、ファンも多い。
夏の大会は、毎年3年生が曜日に関わらずスタンドに集まって、熱い声援を送っていくことも伝統となっている。チャンスや、得点が入ると、商業校らしく、大きなソロバンを持ち上げて、スタンドを盛り上げる。こうした伝統的パフォーマンスも含めて、高崎商を応援している人も少なくないようだ。
その伝統校に挑む前橋南は地元では中堅普通科進学校として、群馬大や高崎経済大と言った国公立大にも20人前後の合格者を送り出している。限られた環境の中で堅実に部活動としての野球をやってきた成果をこの場で発表していこうという姿勢でもあった。
試合は3回に高崎商が1番からの好打順を生かして倉林 壱旺選手(3年)の二塁打からチャンスを作り、3番原田 絢心選手(3年)のタイムリーで先制すると、その後は死球に犠飛。抑えようと力んでしまった前橋南の鷲頭 風太投手(3年)に暴投が相次いでしまい、5点が入るビッグイニングとなった。
そして、このリードを大津 吏初投手(3年)が4回二死までキープする。ここで暑さによって体調が悪くなったということもあって、急遽茂木 風翔投手(2年)がリリーフのマウンドに登った。ロングリリーフになったが相手の様子もしっかりと見ていきながら、無理せず打たせていき、しっかりと抑えた。茂木投手は、大会直前になっての登録変更でメンバー入りしたのだが、堤悠輝監督の起用に十分こたえたと言っていいだろう。
そして、最後は、堤監督も「この大会で一つのカギになる存在」と見ている左腕の廣田 瞬投手(3年)をワンポイントで送り込んで、代わりばなに三塁打を喫して1点を失ってしまったものの、その後をしっかりと抑えたことで、「いい体験にはなったのではないか」と見ていた。
前橋南としては、3回に失った5点があまりに大きく、追い上げきれなかった。それでも、9回には1点を返して意地を示した。