<2025年全国高等学校野球選手権滋賀大会:能登川10-1彦根翔西館(8回コールド)>◇7日◇1回戦◇マイネットスタジアム皇子山

 能登川が8回コールド勝ちで初戦を突破した。

 能登川は1975年春に甲子園出場経験こそあるものの、全国的には無名の存在。数年前には部員不足で連合チームで大会に出場していた時期もあった。

 それでも近年は29歳と若い久保 尚人監督の熱心な指導もあり、夏は2年連続で16強入りと着実に力を付けている。今年は登録選手18人(この日は1人不在)と少数で、3年生のレギュラーは3番右翼の武重 絢大主将(3年)だけ。それでもポテンシャルの高い選手が多く、10安打10得点の猛攻で彦根翔西館を圧倒した。

 特に能力の高さが目立ったのが6番遊撃の廣田 獅冬内野手(2年)。1回表に二死満塁と先制のチャンスで打席が回る。1ボールから左翼ポール際に本塁打性の打球を放つが、惜しくもファウル。それでも「ここで先制点を取って、チームに流れを持って来ようと思いました」と気持ちを切り替えると、2ボール2ストライクからの6球目をレフト前に運び、2点を先制した。

 さらに廣田は6対1と5点リードした8回表、一死満塁から走者一掃の左越え3点適時二塁打を放ち、4打数2安打5打点の大活躍。守備でも足がよく動いており、二塁ベース付近のゴロも軽やかに捌いていた。

 「バッティングも守備も調子が良かったです」と自身のプレーを振り返った廣田。昨春の甲子園に田辺で出場した山本 陣世内野手(現関西学院大)を彷彿とさせるような選手であり、今後の活躍が楽しみだ。

 また、久保監督によると、廣田、武重に加えて、1番一塁の太田 智己内野手(2年)はプロのスカウトが視察に来たこともあるという。武重は潜在能力が高い外野手。大学の練習に参加した際に打球速度を計測したところ、大学生の平均値よりも速かったそうだ。太田は俊足が評価されており、この試合でも三塁打を放っている。いずれも今すぐプロというわけではないだろうが、将来性は十分に感じる選手たちだった。

 2回戦では比叡山と対戦する。ダイヤの原石たちが強豪私学相手にどこまで通用するだろうか。