第107回全国高校野球選手権長崎大会の開会式が7日、長崎県営野球場であり、連合3チームを含む45チーム(53校)の選手…

 第107回全国高校野球選手権長崎大会の開会式が7日、長崎県営野球場であり、連合3チームを含む45チーム(53校)の選手らが行進した。開幕試合は、清峰が延長10回タイブレークの末、6―5で諫早農を破った。日程が順調なら決勝は27日に県営である。

 長崎商吹奏楽部の演奏に合わせて、昨夏の優勝校である創成館を先頭に入場行進。選手らは笑顔や緊張した表情を浮かべながら、手足を大きく振ってグラウンドを歩いた。三つの連合チームは、それぞれの学校のユニホームで臨んだ。

 県高野連の藤本利治理事長は「これまで積み重ねてきたすべてを、今こそ解放し、仲間と共に戦い抜いてほしい。長崎県の宝である平和の申し子である皆さんが、全国に力を示してくれることを確信している」と開会を宣言した。

 佐世保西の北村心彩(みさ)さん(2年)が国歌を、中尾友紀さん(2年)が大会歌「栄冠は君に輝く」を、それぞれ独唱した。

 創成館の下川輝主将が優勝旗を返還した後、県高野連の長池一徳会長は「80年前の8月、原爆で野球や日常のすべてが奪われた。野球の魅力と、それができる平和を、ここから発信してほしい」と話した。

 前川謙介・県教育長は「猛暑の中だが、心とプレーは熱く、頭はクールに、かっこよく試合に臨んでほしい」とあいさつした。

 高校野球の発展に貢献した人に贈られる、日本高校野球連盟と朝日新聞社の「育成功労賞」と、朝日・NCC球育賞の表彰式も執り行われた。(菅野みゆき)

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 「高校野球には夢がある」。佐世保南の丸田昂輝(こうき)主将(3年)は、選手宣誓をこう切り出した。

 「白球をひたすらに追いかけてきて、自分を信じ、仲間を信じて努力し続けてきた者がたどり着ける聖地への切符を手にするために今、私たちはここに立っています」

 長崎原爆について、「80年前の8月9日、ここ長崎で、前日まで共に過ごしてきた仲間が突然失われ、汗を流してきたグラウンドさえも姿を消しました」と言及。「80年経った今日、このグラウンドに立っていることは当たり前ではありません。だからこそ、私たちは今、この場所に立っていること、そしてこの仲間と野球ができることに感謝しています」と語った。最後は「私たちは野球を愛しています」「100年先も高校野球が愛されるように、高校球児がこれからも青春を注ぎ込めるように、全力を尽くし、最後まで笑顔で戦い抜くことを誓います」などと締めくくった。

 宣誓後、丸田主将は「野球が好きだという思いが強く言えた。宣誓という夢がかない、自己採点は100点満点です。これから7年ぶりの初戦突破、ベスト8というチームの夢が始まる。仲間と少しでも長く試合したい」と話した。(上沢博之)