<2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:鹿児島玉龍10-6樟南二>◇7日◇1回戦◇平和リース球場 樟南二は初回、二死一…
<2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:鹿児島玉龍10-6樟南二>◇7日◇1回戦◇平和リース球場
樟南二は初回、二死一三塁として5番・米田颯心(1年)が中越え2点適時三塁打で先制した。
2―5回までに6点を失い、逆転されたが6回表、相手のけん制悪送球、8番・福林佑基(3年)の左前2点適時打で計3点を返し、1点差に詰め寄る。
その裏再び2点差とされたが、8回表に再び福林の左前適時打で1点差とした。その裏、3失点で点差が開いた。9回は二死から3連続四死球で満塁としたが、反撃もここまでだった。
3年生5人、2年生1人、1年生6人。樟南二は12人のチームだが「少人数を言い訳にせず、今やれることを常に全力で取り組んできた」と我那覇悟志監督は言う。伝統校・鹿児島玉龍を相手に最後の最後まで食らいつくことができた。
「先制できたのが大きかった」(我那覇監督)。初回に良い形を作って2点を先取。その裏の守備では併殺を決めることもできた。2回以降は失点が続いて逆転されたが「島のチームらしい『負けてたまるか!』の気持ちと積極的な打撃」(辰濱海静主将・3年)の姿勢が途切れることはなかった。
昨秋は部員6人で、助っ人3人を借りて出場できたが、今春は手助けを得られず出場辞退。冬の間、春以降人数がそろうかどうかの不安を抱えながらの練習だったが、「必ず1年生が入ってきてくれる。練習量を落とさないように頑張ろう!」と辰濱主将が先頭に立って部員たちを引っ張った。人数が少ないと、練習量も落としがちになるが、9人以上の部員がいるのと変わらないメニューをこなした。
辰濱主将の「予言」通り、6人の1年生が入って、夏は単独出場が叶った上に、強豪相手に最後まで一歩も引けを取らない戦いができた。少人数であることを言い訳にせず、「練習してきたことを出し切ってくれた」(我那覇監督)。
3年生が引退すれば、残る部員は7人。2人以上の助っ人を借りなければ秋の大会は出場できない。だがそのあたりの事情は部員たちの方が心得ている。樟南二の伝統を引き継ぐためにも「後輩たちを全力でサポートします」と辰濱主将は言い切った。