【明治安田J1リーグ 第23節 横浜FCVS横浜F・マリノス 2025年7月5日(土)19:03キックオフ】 撮影/原壮…
【明治安田J1リーグ 第23節 横浜FCVS横浜F・マリノス 2025年7月5日(土)19:03キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)
■花火と発煙筒を使用しながらの「挑発行為」
キックオフ前には“残念な出来事”があった。この日の横浜FCホームの三ツ沢公園エリアはダービー仕様で、両チームサポーターのスタジアムに向かう経路が分けられていたが、ごく一部のマリノスサポーターが暴走し、花火と発煙筒を使用しながら挑発行為をおこなった。
該当者の特定およびセキュリティチェックのため、マリノス側(メイン側指定席も含むアウェイエリア全体)はしばらくの間、入場できず。
GKがウォーミングアップに出てきた時点ではスタンドは無人で、それからしばらくたって、ようやく入場が開始された。結局、入場が終わったのは前半終了直前。相手チームや運営関係者だけでなく、自分たちのサポーターにも大きな迷惑をかける行為だった。
コイントスで攻守の方向が入れ替わって始まった試合は、マリノスがなかなかペースをつかめない。
風上をとった横浜FCがロングボールを櫻川ソロモンに集めて、ゴールに近づいていった。
シンプルな攻撃で強みを出すホームチームに対し、マリノスは数的優位を作ることができず、攻撃の組み立て段階で苦しむことになった。
前線のブラジルトリオにも、相手陣内で前を向いた状態でのプレー機会が訪れない。
数的不利を“個”でなんとかしようとする場面もあったが、その先に動きがなく、そのプレーも活きず。マリノスは、攻撃で良いところがないまま、0-0でハーフタイムを迎えた。
■僕の「すべての夢をかなえてくれた」チーム
悪いながらも0-0で終わったことは、マリノスにとって大きかった。後半に入ると、立ち上がりからマリノスが勢いを出す。攻撃で強気に出るようになったマリノスは、前半はことごとく奪われていたセカンドボールやルーズボールも、自分たちのものにできるようになった。
そして76分、加藤蓮がドリブルで内側を進むと、ペナルティエリア内のアンデルソン・ロペスにボールが通る。
ロペスが収めると、ボールは寄せてきた相手に当たり、ゴールの方向へ流れた。それにいち早く反応したのは、追い越す動きをしていた渡辺皓太。
飛び出した渡辺を市川暉記が倒す形となり、マリノスがPKを獲得した。
キッカーを務めたのはロペス。開幕節以来となる今季2点目を決めた背番号10は、逆側のゴール裏まで走り、満員となったサポーターと喜びを分かち合った。
その1点が決勝点となり、そのままマリノスが勝利。順位は変わらず20位のままだが、この勝利が今度こそチームを押し上げることになるだろうか。鹿島と町田に連勝したときは、直後の中断期間で勢いを失ってしまった。今回も次のリーグ戦まで2週間空くが、今度こそ浮上につなげられるか。
試合後、移籍のためにチームを離脱するロペスは、涙を浮かべてサポーターと別れの時間を過ごした。「マリノスは僕のすべての夢をかなえてくれたチーム。どこに行ってもこのチームを応援している。選手たちは一生懸命表現しようとしている。きっとこの状況から抜け出せると、僕は信じている」
■試合結果
横浜FC 1-0 横浜F・マリノス
■得点
78分 アンデルソン・ロペス(マリノス)