(7日、第107回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 広尾11―5大山) 練習する学校のグラウンドは一辺40~60メー…

 (7日、第107回全国高校野球選手権東東京大会2回戦 広尾11―5大山)

 練習する学校のグラウンドは一辺40~60メートルと手狭だ。そんな環境の公立校にいながら、最速145キロを計測する投手が神宮で躍動した。

 広尾の古荘敦士(3年)の出番は、八回表に訪れた。1点を返されて7―5になり、なおも1死一、二塁。相手の追い上げムードが漂う場面でも気負いはなかった。

 「絶対に抑える」

 コンパクトな投球フォームから繰り出す直球で押した。三振と右邪飛などで後続を断ち、ほっとした表情を浮かべた。最終回も難なく締めて、3回戦進出を決めた。

 都立高の広尾は恵比寿駅から徒歩約10分の場所にある。グラウンドは狭く、全面を使えるのは火曜日と金曜日だけ。それでも進学したのは、先輩たちが打撃用のネットを効果的に使いながら工夫して練習に取り組む姿を見たからだ。

 「工夫すればグラウンド(の広さ)は関係ないと思えた」。城東で選手時代に甲子園のメンバー入りをしている安部雄太監督の熱量にもひかれた。今は自宅から電車で1時間ほどかけて通学する。

 入学時の球速は115キロほどで、制球も安定しなかった。安部監督のすすめで、腕をたたむように投げる「ショートアーム」に変えると、球速も制球もみるみる上がった。

 186センチの身長に加え、米を大量に食べて体重を10キロ以上増やし、現在は90キロに。足を負傷していた昨春に、上半身のトレーニングを重点的にこなしたことも功を奏し、球速は今年6月に145キロをマークするまでになった。将来の夢にプロ入りを掲げるが、今は大学進学も視野にある。

 チームの直近10年の夏の最高成績は5回戦進出。過去2年は3回戦で敗退しているだけに、躍進には古荘の好投が欠かせない。「次の試合も抑えて、また神宮に戻りたい」=神宮(高億翔)