<2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:甲南5-2鶴丸>◇6日◇1回戦◇平和リース球場 甲南と鶴丸。県下屈指の県立進学…
<2025年全国高校野球選手権鹿児島大会:甲南5-2鶴丸>◇6日◇1回戦◇平和リース球場
甲南と鶴丸。県下屈指の県立進学校の両校は、毎年4月に「甲南・鶴丸スポーツ交歓会」(甲鶴戦)を開催している。両校の運動部が対抗戦をして、それぞれの新入生が甲南生、鶴丸生の自覚が芽生える。中でも野球はトリを飾るイベントで両校とも全校応援で盛り上がる。
今年の野球は甲南が勝利した。鶴丸にとっては雪辱をかけた「甲鶴戦」が夏の初戦で実現した。日曜日の試合ということもあって、両校のスタンドには控え部員や保護者だけでなく、OBや一般生徒たちも大勢かけつけ、本当の甲鶴戦のような盛り上がりを見せていた。
双方とも夏の初戦と最大のライバルに負けたくない意地で重たい試合展開だったが、序盤から甲南に勢いがあった。毎回の13安打を放ち、最後まで勝機を渡さなかった。
2回裏、2点目となる左前適時打を放った川野湧矢主将(3年)。「甲鶴戦の時は露重投手のボールを打ち上げてしまっていたので、しっかり転がすことを意識した」と言う。タイミングを外されたが、しっかりと身体を残して三遊間に低いゴロを打つ感覚で適時打を放った。
3番・松山康太郎(3年)は「すごくうれしい。このメンバーと野球をやっていて良かったと思った」。2本の三塁打のうち、4回は3点目となる適時打だった。決して能力の高い選手がそろっているわけではないが、野球に対して真剣に向き合い、切磋琢磨してきた仲間たちと一緒に、自他ともに認めるライバルに勝利できたことが何よりうれしかった。
13安打しながら5得点しかできなかったのは、甲南の拙攻もあったが、鶴丸も意地を見せて守備で最後まで崩れなかったからだ。先発した下手投げのエース露重直毅(3年)、4回途中からリリーフした児玉龍太郎(2年)を中心に粘り強く守った。
それでも「甲南の方が一枚上手でした」と駒走連音主将(3年)。6回には反撃の狼煙となる中前適時打を放った7番・前園昌之介だったが、8回表一死二三塁、一打同点の絶好の場面ではフルカウントまで粘るも空振り三振。「あれが一番悔しかった」と涙がにじんだ。
後半は勢いを盛り返し、鶴丸が流れをつかんでいたが、甲南の粘りがそれを上回った。初戦で姿を消すことになったが「(3年間の高校野球は)楽しかった」と胸を張っていた。
「甲南にとっては歴史的な勝利でした」と川野主将。夏は21年以来4年ぶりの勝利だった。次の相手はシード鹿児島実。5月の県選抜大会では大敗した相手である。強敵だが「自分たちは私学に一矢報いたいとこれまで野球をやってきた。きょうのように守備で粘って、食らいついていきたい」と意気込みを語っていた。