<2025年全国高等学校野球選手権滋賀大会:日野3-1八日市南>◇6日◇1回戦◇マイネットスタジアム皇子山 2年連続での…
<2025年全国高等学校野球選手権滋賀大会:日野3-1八日市南>◇6日◇1回戦◇マイネットスタジアム皇子山
2年連続での対戦となった日野と八日市南。昨年は日野が延長戦の末に勝利しており、今回も日野が接戦を制する形となった。
この2校は2年連続の対戦と言うこと以外にも様々な縁がある。日野の堤直紀監督は2023年3月まで八日市南の監督を務めており、現在は八日市南を率いている三ツ井将大監督が部長として支えていた。
さらに現3年生はこの2校による連合チームで1年生大会に出場。指導者、選手ともに親しい仲だった。
2年連続での対戦が決まったことについて、日野の白石 元貴主将(3年)は「正直、複雑な気持ちが大きかったです」と言う。互いに手の内を知り尽くしたチーム同士。互いに全力を尽くした試合は白熱した展開となった。
日野の3年生は3番投手の伊藤 綾悠と5番捕手の白石だけ。チームを引っ張るバッテリーを中心に度重なるピンチを凌いだ。
守りで先輩を救ったのが8番中堅の岸村 和琶外野手(2年)。中学時代は陸上部に所属していた異色の選手である。
0対0の2回表、一死二塁から安打を打たれ、岸村の前に打球が飛ぶ。二塁走者は本塁を狙ったが、「先制点は取られたくなかったので、頑張りました」と岸村がノーバウンドの素晴らしいバックホームを見せる。これが本塁でタッチアウトとなり、相手に先制点を与えなかった。
その裏、岸村の安打などで二死満塁のチャンスを作ると、相手の失策で2点を先制。1点を返された直後の3回裏には白石の適時打で再びリードを2点に広げた。
さらに岸村は6回表、無死から前方への安打性の打球を50m6秒0の俊足を飛ばしてダイビングキャッチ。またしても守りでチームを救い、相手に流れを渡さなかった。
それでも昨年のリベンジに燃える八日市南は9回表、二死二、三塁と一打同点のチャンスを作る。だが、最後は伊藤が渾身のストレートで空振り三振を奪い、日野が逃げ切った。
日野は八日市南と練習した際に歯が立たなかったという。それでもこの日は粘り強い守りでロースコアの接戦を勝ち切り、「1年間のベストゲームが夏の大会でできるなんて、信じられなかったです」と堤監督を驚かせた。
なぜ、ベストゲームができたのか。白石に聞いてみると、「相手を知り尽くしているので、みんなに自信もあったかなと思います」と答えてくれた。
滋賀大会は指定された場所で一塁側のチームを取材した後に三塁側のチームを取材する段取りになっている。そこで取材が交代となった際に両校の選手たちが抱き合いながら讃え合っていた。
日本高野連が理念として掲げる「Fair play」(フェアプレー)、「Friendship」(友情)、「Fighting spirit」(闘志)の「三つのF」を体現するような瞬間だった。