日本各地で「梅雨明け」が続いている。今年の夏も、厳しい暑さになることが予想されるが、暑さとともに気になるのが「紫外線」…

 日本各地で「梅雨明け」が続いている。今年の夏も、厳しい暑さになることが予想されるが、暑さとともに気になるのが「紫外線」だ。炎天下でも試合があるサッカー選手たちは、紫外線とどう付き合っているのか? そして、蹴球放浪家・後藤健生が考える、サッカーをするうえで地球上で一番、厳しい紫外線にさらされる場所とは? 

■世界各国で猛威を振るう「山火事」

 北半球は6月の後半から猛暑に見舞われています。日本列島各地は連日の猛暑日。FIFAクラブ・ワールドカップ開催中の北アメリカも、西ヨーロッパ各地も、どこでも猛暑が続き、各所で山火事が猛威を振るっているようです。

 気候変動対策は一刻を争うのではないでしょうか? ドナルド・トランプ様!

 6月の猛暑ということで、とくに気をつけないといけないのが紫外線です。

 ご存じのように6月下旬は夏至の時期に当たります(2025年の夏至は6月21日)。

 夏至は北半球では「1日の長さが最も長い日」であり、太陽が南中したときの角度が最も高くなる日です。つまり、太陽の光が頭の真上から降り注ぐわけです。

 太陽光が真上から届くということは、光が斜めに差し込んでくるのと比べると、光が地表に達するまでに通過する空気の層が薄いため、太陽光が強くなるわけです。ですから、7月、8月に比べると、6月後半は紫外線がさらに強いというわけです(紫外線だけでなく可視光でも赤外線でもそうですが)。

■「練習中は水を飲んではいけない」

 最近は紫外線の有害性が広く認識されるようになり、男性でも日傘を使う人が多くなってきています。

 昔は「男が日傘だって? 女々しい男め!」という野蛮な(?)時代でした。

 まあ、日傘だけでなく、昔は非科学的というか、無知蒙昧というか、今から考えるとおかしな習慣がたくさんありました。

「練習中は水を飲んではいけない」と言われたり、木の幹を相手にヘディングの練習をさせられたりといったように、「理不尽」こそが体育会系運動部の合言葉のようなものでした。

 きっと、紫外線に対しても根性で立ち向かおうとしていたのでしょう。

 いや、そうではありません。むしろ、日焼けした顔こそが男らしさの象徴。男の子たちは、日焼けを競っていたわけです。日焼けはポジティブなものだったのです。

■宿泊先「ホテルのプール」での奮闘

「日焼け」と聞いてすぐに思い出すのが、歌手の松崎しげるさんであり、また、日本代表の最年少得点記録(19歳119日)を持つ金田喜稔さんです。

 広島県立工業高校から中央大学に進み、日産自動車(横浜F・マリノスの前身)で活躍したテクニシャン・タイプの金田さん。日産では高校時代の1年後輩の木村和司とのコンビを確立し、そのコンビを日本代表にも持ち込んで代表の主役となりました。

 そして、代表デビューの直後に行われた1977年6月15日の日韓定期戦(ソウル)では、この試合が日本代表最後の試合となった釜本邦茂のアシストによってゴールを決め、これが最年少ゴールとなったのです。まさに、新旧の世代交代を象徴するようなプレーでした。

 引退後は、解説者などとして活躍します。

 Jリーグが開幕した後、日本代表はワールドカップ初出場を目指して奮闘。何度も中東諸国に遠征をすることになります。そんな中東各地でのアウェーゲームを取材に行くと、解説者として来ていた金田さんの姿をよく見かけたものでした。

 スタジアムで……? いいえ、宿泊先のホテルのプールで、です。

 金田氏は、プール脇でひたすら日焼けに励んでいるのです。おかげで、解説者の金田さんといえば、現役時代以上に真っ黒に日焼けした顔がトレードマークとなりました。

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