(6日西東京大会、上水22―1青鳥特別支援=五回コールド) 何とか塁に出たい気持ちの表れだった。四回表、青鳥特別支援の禰…
(6日西東京大会、上水22―1青鳥特別支援=五回コールド)
何とか塁に出たい気持ちの表れだった。四回表、青鳥特別支援の禰宜田翔(1年)は打席に向かう前、久保田浩司監督に「セーフティーバントしていいですか」と許可を求めた。
だが、初球を失敗。三塁手が警戒して前に出てきたのを見て、ヒッティングに切り替えた。打った瞬間は「フライかな」と思った右中間への打球は、ぐんぐん伸びて三塁打になった。
無死三塁。「内野手が後ろに下がっているから、ゴロだったらスタートを切れ」。主将の八木秋大(3年)が駆け寄り、久保田監督の指示を伝えた。
続く上野空虎(1年)の打球は、三塁手の前に転がる弱いゴロに。禰宜田が本塁を駆け抜け、単独チームになって初めて、夏の大会で「1点」を刻んだ。
初戦突破はならなかったが、0―66だった昨夏と比べれば、格段の成長ぶりを見せた試合だった。中学で硬式野球をしていた禰宜田はユーチューブを見て「失敗しても、みんなで声を掛け合うチームワークにひかれた」と入部。球場で昨夏の試合を見た上野は「楽しそうに野球をしているこのチームで、自分もやりたい」と、自宅がある東京都日野市から、片道2時間かけて通学する。
「もっと先輩たちと野球がしたかった」とうなだれた上野。それでも「来年こそは1勝したい」と誓った。=小野路GION(岡田昇)