(6日、第107回全国高校野球選手権大分大会1回戦 竹田1―6津久見) 大きな飛球が弧を描いて右翼席に吸い込まれた――。…

(6日、第107回全国高校野球選手権大分大会1回戦 竹田1―6津久見)

 大きな飛球が弧を描いて右翼席に吸い込まれた――。大会第1号本塁打に球場はどよめき、スタンドや味方ベンチから歓声が上がった。

 2点を追う竹田の二回表の攻撃、4番の秋好晋之介選手(3年)が打席に向かった。1ボール1ストライクからの3球目、バットに当たった瞬間「いった」と手応えを感じた打球は、高校通算で10本目、公式戦では初めての本塁打だった。

 藤沢賢二監督からは日ごろから「1打席目に全部かけろ、1打席目が大事だ」と言われていたという。この回の先頭打者として塁に出るため、「センター返しを意識して打席に向かった結果がたまたま入った」。一番うれしい思い出になったが、みんなが信頼してくれて走者がいるときに打てなかったことが少し悔しいとの思いも口にした。

 大会前日の晩ご飯は毎回、「勝つぞ」という意味でとんかつを母親が作ってくれるという。試合には負けたが、ホームランボールが手元に残った。両親に感謝の気持ちを込めて、「ホームラン打ったよと渡したい」と話した。(大村久)