コンディションに悩まされた冨安には、一部でJリーグ復帰もささやかれている(C)Getty Images 冨安健洋のアーセ…

コンディションに悩まされた冨安には、一部でJリーグ復帰もささやかれている(C)Getty Images

 冨安健洋のアーセナル退団が現地時間7月4日にクラブより発表された。加入から4年目となった昨シーズンは、幾度となく膝の負傷に見舞われ手術も受けたことで、公式戦出場がわずか1試合。満足にプレー出来ないまま、クラブ、冨安本人の合意のもと、契約解除という形でチームを去ることとなった。

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 若くして欧州に渡り、シント=トロイデン、ボローニャを経て2021年8月にアーセナルの一員となった冨安。名門でもレギュラーとして起用されるなど順調にステップアップを遂げ、日本代表でも主力を担うまでに成長した。だが常に怪我に悩まされており、在籍中はシーズンを通しての出場がままならなかった。

 だが、ディフェンスラインでのプレーは極めて高く評価され、センターバックや左右のサイドバックをこなし、攻撃参加でも存在感を放った。昨季はほぼ戦列を離れていたものの、今年2月に膝の手術を受けており、来季での復帰に向け、期待の声も上がっていた。

 日本人ディフェンダー退団の事実は、現地メディアにも衝撃を与えている。英紙『Evening Standard』は7月5日、「アーセナルの“ユーティリティマン”、負傷の悪夢の末に悲しい結末を迎える」と銘打ったトピックを公式サイト上に掲載した。

 同メディアは、冨安のプレーがクラブにとっていかに重要であったかを説いており、「トミヤスはミゲル・アルテタ監督から非常に高く評価されていた選手だった」と記しながら、「アルテタは2023年9月、トミヤスについて、『彼のような選手はうちにはいない。彼はどんなフォーメーションでも、どんなポジションでも最終ラインでプレーできる』と語っていた」と指揮官のコメントも紹介。

 その上で、「だが、トミヤスとアーセナルにとって不運だったのは、繰り返す負傷によって彼の力を証明する場が奪われてしまったことだ」と訴え、さらに、「移籍情報サイト『Transfermarkt』によれば、トミヤスはアーセナル在籍中、通算690日を負傷離脱に費やし、クラブと代表戦を合わせて100試合以上を欠場したという」と指摘する。

 また、昨季は開幕前より膝を痛めた他、過去には優勝争いの最中で故障したケースもあったと振り返り、「エミレーツ・スタジアムでの4年間で、26歳のトミヤスは公式戦84試合に出場したが、いつも負傷に泣かされるタイミングが最悪だった」と評している。

 同メディアは、「誰もが、トミヤスのアーセナルでの旅がこのような形で終わることを望んではいなかった。これは、非常に多くのものを約束していた旅路の、あまりに悲しい終焉である」と悲嘆。退団という事実への印象を綴り、トピックを結んでいる。

 まさに惜しまれつつ、アーセナルでのキャリアを終えた冨安。コンディションとの戦いも続く中、プレーヤーとして今後、どのような道のりを歩むことになるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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