(6日、第107回全国高校野球選手権京都大会1回戦 京都文教9―8京都すばる) 京都文教の主将・加藤隆平さん(3年)は…

 (6日、第107回全国高校野球選手権京都大会1回戦 京都文教9―8京都すばる)

 京都文教の主将・加藤隆平さん(3年)は、この日も三塁コーチスボックスに立ち続けた。背番号20のユニホームを汚すことはなかったが、声を張り、仲間の背中を押し続けた。

 2点を追う延長十回、無死満塁。4番・小財謙史郎さん(3年)の打球が左翼手の頭を越えると、加藤さんは即座に腕を大きく回し、一塁走者にも本塁突入を指示。逆転サヨナラ勝ちの瞬間、ベンチが沸いた。

 声の出し方を買われ、1年秋から三塁コーチャーに。レギュラーではないが、誰よりも広い視野と強い責任感でチームを支えてきた。「逃げへんし、キャプテンに一番大事なところを持ってる」と林守監督は信頼を寄せる。

 昨夏は初戦で京都すばるに敗戦。その悔しさを胸に、この1年チームを引っ張ってきた。「やっと借りを返せたと思う」。試合に出ることはなかったが、勝利に貢献した主将の表情は晴れやかだった。(木子慎太郎)